bookshelf jj | ナノ




 時刻はPM2:50。
 良く晴れた昼下がりのうららかな陽光のもと、焼き立てのパンが美味しいと評判の洒落たカフェのテラス席。そこで、七海と五条は名前を待っていた。


「ねー、まだ来ないの?
 オマエすっぽかされたんじゃないの。
 僕とデートの時、名前はいつも先に着いて待っててくれるんだけど」
「名前さんとの待ち合わせ時間は10分後です。
 すみません。てっきり五条さんはいつものように遅刻してくると思っていたので」


 七海がカフェに到着したのは、PM2:25。どうせ五条は時間通りに来ないだろうが、待ち合わせの時間に遅れるのは七海の信条が許すところではない。しかし七海の予想に反し、五条は既にそこにいた。
 ──明日は雪でも降るのか。テラス席に座りクリームソーダを飲む五条の姿を二度見した後、七海は思わず明日の天気を心配した。

 この場に七海がいなければ始まらないため、七海が名前に伝えた時間より、二人は早く待ち合わせていたのだ。七海は、五条との待ち合わせ時刻を名前との待ち合わせの30分前という少々早めの時刻にわざと設定した。時間通りに待ち合わせ場所に現れたためしが無い五条のことだ。いつもの遅刻癖を今回も遺憾無く発揮してくるに違いない。そう踏んだ七海の考えでは、五条は指定の時刻より10分から15分程度遅れて到着するはずだった。その後に名前が到着すれば、丁度いい塩梅になる計算だったのだが……、よもや五条が約束の時間より早く現地にいるとは。


「いやー、待つのってめっちゃだるいね」


 おそらく今までの人生で、待ち合わせ場所に先に到着していた経験が殆ど無いのだろう。待つという行為に慣れていない五条は、ソワソワと落ち着かない様子だ。先程からストローをいじったり、スプーンでかちゃかちゃとクリームソーダをかき混ぜたりしている。
 そんな五条を横目で見ながら、七海は五条への苦手意識を再認識した。いつも何かしら喋っている五条が無言だと変に居心地が悪い。いや、喋っていても別段居心地はよくはないのだが。
 七海が五条とカフェで仲良く肩を並べるなんて、改めて考えれば随分おかしな話だ。自身が置かれた不可解な状況への当惑は、そのまま七海の溜息となって表れた。繰り返すが、五条が約束の2時半より早く到着しているなど、七海には到底予想できなかったのだ。


「こーいう気利かせるあたり、やっぱ七海ってしっかりしてるよね。
 でも、こういう時ぐらいは僕だって時間通りに来るよ」
「こういう時でも五条さんは平気で遅刻しそうなので気を利かせたんです」
「伊地知といいオマエといい、僕をなんだと思ってんの?」


[これは蛇足であるが――、 五条はこれからここに来るだろう名前のことで頭がいっぱいで、七海はそもそも自身が自覚がないために気付かなかったが、二人はかなり周囲の女性客の注目を集めていた。

 五条が現れた時から、テラス席の女性客は、高身長の白髪男の登場に密かに色めきたち始めた。サングラスをかけてはいるが、すっと通った鼻筋、薄ピンクで艶やかな形の良い唇、五条の全体的な出で立ちから、五条の類稀なる美貌を肌で感じ取ったのであろう。
 更にそこに遅れてやってきたのが、着る人を選ぶ白スーツを完璧に着こなした、これまた高身長でクォーターの七海だ。

 いつもの目隠しと黒一色の服装の五条であれば、二人の見え方はまた違ったかもしれない。だが今の五条は、サングラスにオフの時の普通の格好だ。五条と七海は知る由も無いが、女性客の多くは、タイプの違う魅力を持った二人の関係性についてあれこれと妄想を広げていた。
 また、七海は実際にクォーターであるが、白髪の五条も言わずもがな色素が薄い。これは二人が呪術師故なのだが、そんな二人がサングラスをかけていることも手伝い、『二人はもしかしたら外国人モデルか何かかもしれない』と憶測さえする女性客までいた。――蛇足終わり]


 しかし、珍しいこともあるものだ。アイスコーヒーを飲みながら、七海はある種感動に近い感情を抱いていた。七海が知る限り、五条の名前以前の女性関係は決して褒められたものでは無い。一人の女性の存在が、五条の行動に影響を与えるなど、過去の五条にはとても考えられないことだった。

 〜♪

 時刻はPM2:58。
 テーブルに置いた七海のスマートフォンが鳴る。名前からの着信だ。五条もそれに気付くと、七海がスマートフォンをとるのを静かに見守る。


「もしもし」
「七海さん、名前です。
 少し道に迷ってしまって……、お約束の時間ギリギリになってしまってすみません。もうすぐ着きます」
「いえ、構いません。
 どうか道中気をつけて、ゆっくり来てください。
 では後程」


 これで名前がこの場に現れることは確定だ。ほぼ確定案件が確定案件に昇華されたことで、先程からにこにこと笑みが止まらない五条は、スッと席から立ち上がった。


「僕、名前の分の飲み物買ってくるよ」
「わかりました」


 奇しくも、名前が道端からテラス席の七海に向かって声を掛けたのは、五条が名前の飲み物を買いに席を外したすぐ後であった。


「七海さん!」


 名前は七海の女性のタイプから外れている。しかし、そんな七海でも、久しぶりに会った名前を見て、やはり可憐な女性だという感想を抱いた。こんなことを思っていると五条に知れたらどうなるかわからないので、態度にはおくびにも出さないが。

 駆け足で入店した名前は、七海に挨拶をしてから飲み物のオーダーをしようと考え、まずはテラス席に座る七海のもとへと向かった。


「お待たせしてしまいごめんなさい」
「今ちょうど、待ち合わせの時間ぴったりです。お気になさらず」
「実はこのお店、前に雑誌に載っていたの見て、一度来て見たかったんです」
「それは良かったです。
 急なお誘いで申し訳ないと思っていたので」
「雑誌で見た以上におしゃれで、すごく素敵なお店ですね。
 私、飲み物買ってきます」


 無事七海を見つけ、七海との会話を終えると、名前はテラス席の椅子に手荷物を置いた。それから飲み物を頼もうとテラス席から店内に踵を返そうとしたが、それは叶わなかった。
 いつの間に戻ってきたのか、片手にグラスを持った五条が名前の肩に手を回していたからだ。


「砂糖なしのアイスミルクティーでよかった?」
「………」


 音もなく近づき自分の肩を抱いた男が誰なのか、名前は一瞬にして悟った。先程花のような笑みを七海に向けていたその表情が、みるみる内に凍りついていく。


「えぇ、なんか可愛い格好してんね。
 七海にワンチャンあるとか思ってんなら、僕傷つくんだけど」
「……名前さんを騙すような真似をして申し訳ありません。
 五条さんがどうしてもあなたと会いたいと言って聞かないものですから、私も五条さんに従う他なくて」
「七海さん、ごめんなさい。
 今回の約束はまた次の機会にしていただいていいですか。今日は帰ります。
 すみません。手、退けてもらえますか」
「なぁに、その態度。さすがに酷くない?
 ていうか、七海は君に用事ないよ。あるのは僕」
「……離してください」
「ねぇ、さっきからなんで敬語なの?
 そういうのやめようよ。僕たち恋人でしょ」
「あなたとは、こないだお別れしたはずです」
「は? あんな書置き1つで、僕が別れてあげるわけないでしょ」


 非力な名前に力加減は勿論しているだろうが、名前は呪術師最強に肩をがっしりと抱かれた状態だ。いくら身をよじろうとも、その腕の中から逃げ出せる訳が無い。
 どうにかして立ち去ろうとする名前に、それを許さない五条。膠着状態の二人に、周囲の客から注目が集まってきた。このままでは埒があかない。見かねた七海は、穏やかな落ち着いた声音で名前に話しかける。


「私も五条さんの性格を知っているので、正直、名前さんが五条さんと別れたくなるのはある程度仕方がないことだと思います」
「なーなみ? オマエなに言ってんの?」
「もしかしたら、五条さんと顔も合わせたくない事情があるのかもしれません。
 それを承知で申し上げますが、理由も告げない一方的なシャットダウンは、後々あなたにも悪影響を及ぼす可能性があります。特に五条さんの場合、何をしでかすかわかったものじゃない。
 ですから、逆上防止の為には、せめて別れたい理由くらいは告げておいた方がいいかと思います」
「ちょっと、オマエ僕の味方なんじゃなかったの」
「勘違いしないでください。
 私は誰の味方でもありません」


 冷静な七海の説得もあってか、名前は一応抵抗するのをやめ、七海の隣の席についた。その名前の隣の席にすかさず五条も座る。
 五条の性格ゆえ、素直に謝罪なんてとても出来ないのではと勝手に思っていた七海だったが、またも七海の予想は外れた。五条はすぐに、名前に向かい、七海がおよそ聞いたことのない甘ったるい声で謝罪を開始したのだ。


「ごめんね。僕からの連絡全スルーされてるってわかってから、すぐ会いに行こうとしたけど任務でさ。
 これでも頑張って、急いで任務終わらせて帰ってきたんだよ」
「……」
「突然部屋から居なくなるなんて、心臓に悪いことしないでよ。
 君に嫌われるようなことした覚えなんて全く無いんだけど、もしかして僕なんかした?」
「……」
「言ってくれなきゃわかんないんだけど」


 何を言っても五条と目を合わさず、名前はだんまりを決め込んでいた。しかしそんな名前にも、五条は優しく柔和な態度を一貫して貫き通している。


「僕に何か悪いとこあったら全部直すからさ。
 だから、別れるとかやめてよ。お願い」
「本人もこう言っています。
 もし、名前さんが五条さんとやり直してもいいのであれば、これを機会にボロクソに言ってやったらどうですか」


 五条のこの様子からも、名前は、五条の適当な軽いノリでこれまで付き合ってきた女達とはどうも違うらしいことは明瞭だ。
 記憶する限りでは、五条が取り乱した様子を七海は今まで見たことがない。そんな五条が、名前に短所を指摘された時に一体どんな顔をするのか。七海はそれを少し見てみたいような気がしてきていた。
 しかし、消え入りそうな小さな声で、名前は五条の問いにこう答えた。


「悟くんに、悪いとこなんて……ないよ」
「なにそれ。訳わかんないんだけど」


 雷に打たれたような衝撃を七海は受けた。名前の答えが、俄かには信じ難かったからだ。
 確かに、五条は疑いようもなく世界最強の呪術師である。また、その天賦の才能だけではなく、素顔を晒して街を歩けば大抵の女が振り返る程の美貌さえも持ち合わせている。しかし、天から二物も三物も与えられた彼の性格は、残念ながらクソとしか言いようがない。そんな五条をつかまえて『悪いとこはない』などと、果たして言えるものだろうか。

 驚愕のあまり言葉を失い呆然としている七海の傍ら、五条は五条で名前の言葉の意味に静かに思いを巡らせていた。
 浮気など、何か誤解されるような行為をした覚えもない。自分は目の前の女しか愛していないのだから。そして、その愛する女は、自分に特筆すべき欠点はないと言う。
 女が目の前で力なく俯く姿を見て、あるひとつの仮説が五条の中で浮き上がる。もしかしたら、名前のこの潮らしい態度は、罪悪感によるものではないか。それが五条の解釈だった。途端、先程まで優しい光を宿していた碧色の瞳は、恐ろしく冷たく変貌を遂げた。


「まさか、マジに他に男でもできたの?
ハッ。僕も舐められたもんだよねぇ。大人しそうな顔しといてよくやる……」


 普段より数段低い五条の声に、名前の肩がびくりと揺れる。苛立ちを隠そうともせずあらわにする五条に、驚いたのは七海もだ。確か、心変わりの可能性について話した際、五条はありえないと一刀両断していたはず。それなのに今、名前の気持ちが他に移ったかもしれないと思い、五条の機嫌は地に落ちていた。


「最悪。見損なったよ。
 こんな尻軽女だと思わなかった」
「五条さん。そのあたりで」


 先に名前の異変に気付いたのは七海だった。
 五条はいつもであれば誰よりも先に彼女の異変に気付いただろう。しかし今は、よもや最愛の女に自分が振られるかもしれないという可能性を前にして、女性関係で今まで感じることの無かった焦燥や苛立ちに支配されていた。そのせいで、いつもの五条の冷静な観察力はめっきり失われていたのだ。
 名前は俯き、周囲に気を遣って、声を殺しながら泣いていた。七海はなお暴言を吐こうとする五条を制しながら、「どうぞ」と綺麗にアイロンがかかったハンカチを名前に差し出す。


「あのさぁ、なんでここで泣く訳?
 もしかして、泣けば僕が許すとでも思ってる?
 それなら考えが浅はか過ぎるでしょ。被害者は僕の方だよ。むしろこっちが泣きたいくらいなんだけど」
「五条さん、女性に涙の理由も聞かずにキレ散らかすのは、男としてどうかと思います」
「……てない」
「なに? 聞こえない。もっと大きな声で言って」
「アナタ、いつも以上に大人気ないですよ」
「そりゃ大人気なくもなるよ。
 最愛の彼女が何処の馬の骨ともしれない男に股開いたかもしれないんだよ」


 語気を荒げた五条に、七海はいよいよここで修羅場が始まってしまうことを覚悟した。ところが、五条の毒気はすぐに抜かれた。涙で潤む大きな目で五条を睨みながら、名前が吐き出した言葉によって。
 

「わ、私は、浮気なんかしてない……!
 浮気してたのは、悟くんの方でしょ」
「……は?」
「そっか、違うよね。
 むしろ私の方が浮気相手で……、2番目は私の方だったんだもんね」
「五条さん、一体どういうことですか」


 七海はそういうことかと心中で納得し、五条に絶対零度の軽蔑の眼差しを向けた。一方五条は、訳がわからないといった顔でぽかんとしている。


「待って。
 マジで話が見えない。
 2番目ってなに? 意味不明すぎるでしょ。どういうこと?」
「…………銀座の高級ジュエリーショップ……」


 七海には全く全然意味がわからなかった。しかし、五条はその一言で全てを理解したらしい。
 五条は恐ろしいほど整った顔面を愉悦で綻ばせた。そして、逃げようとする名前の手をとり、指を絡めつつ、その手に愛おしそうに唇を寄せる。


「名前さ、僕のこと大好きすぎるでしょ。
 もしかして、僕から振られるのが怖くて、あんな書置き残して出てったの?」
「……そこまでわかってるなら、もうほっといて……」
「いいや、ほっとけない。
 何を勘違いしたのか知らないけど、僕が愛してるのは名前だけだもん。証拠もあるよ」 


 そう言った五条が、ポケットから無造作に取り出したのは小さな箱だった。リボンが掛けられ、上品な紺地にアルファベット2文字が表記されている。それは女性なら誰もが憧れる、世界に名だたるハイジュエリーブランドのものだった。


「開けて」


 促されるままに名前がその箱を開ければ、中にはリングケース。そしてそれを開いてみれば、大粒のダイヤがキラキラと煌く指輪。
 渡された当人もかなり驚いているが、まさかこんなものが出てこようとは、七海は夢にも思わない。サングラスの奥の七海の目はしっかり点になっていた。


「これ……」
「よかったー。
 君に振られたら、嫌がらせでその場でぶっ壊そうかなって思って持ってきたのが役に立って」


 物騒なことをさらりと言ってのけたが、先程とは打って変わって、満面の笑みを浮かべる五条はすっかり上機嫌だ。


「ど、どういうこと……?」
「あーあ。
 もっとロマンチックなとこで渡す予定だったのに。
 ねぇ、近い将来、僕のお嫁さんになってくれるって約束してくれる?」
「えっ。そ、それ、私に言ってる?」 
「他に誰がいるのさ。
 あとで指輪の内側見て。僕と名前のイニシャル、ちゃんと刻印されてるから」
「だ、だって。
 銀座のお店で一緒にいたアンニュイな美人さんが本命なんじゃないの?」
「そんな訳無いでしょ。
 僕がエンゲージリング取り行くっていったら、硝子……、あー、僕の同僚が、面白半分でついてきたんだよ。一回店に入ってみたかったとかで、興味本位もあったらしいけど」


 名前の涙は止まっており、もう名前は五条を疑ってはいない。だが五条は、不安要素を完全に払拭したいようで、更にダメ押しを試みる。


「七海、写真」
「は?」
「僕、今手離せないから。
 一枚くらいあるでしょ、硝子の写真。
 出して」


 兼ねてより、五条の強引さには慣れっこだ。七海は最早無心で五条の言いつけに従う。
 そういえば、酒好きな硝子と七海、七海が行くならと付いてきた猪野の3人でかつて飲んだことがあったと、七海は朧気に思い出した。確か、猪野がその時に撮った写真を後で送り付けてきていたはずだ。
 七海がカメラロールから硝子が写っている写真を探し当てたところで、五条は七海のスマートフォンを乱暴に奪い取った。そして、硝子を拡大表示したあとで、スマートフォンを名前の前に置く。
 ちなみに、この時、五条の片手はしっかり名前の手と繋がれたままであった。


「名前が見たのってコイツでしょ?
 ここで、僕と硝子どっちとも知り合いの七海に質問。
 僕と硝子が男女の関係である可能性は?」
「まぁ……、無いでしょうね」
「ほら。七海も言うんなら信用できるでしょ。
 硝子と僕がどうとか、ありえなすぎて考えもしなかったけど、まさか名前に見られてて誤解されるなんてね」
「じゃあ、ぜんぶ私の……勘違い?」
「勘違いとはいえ、悲しい思いさせちゃってごめんね。
 それで、返事は?」
「え?」
「僕のお嫁さん。名前はなってくれるの、くれないの?」
「うぅっ……、私でいいの?」
「なに言ってんの。名前意外受け付けないから。
 手出して。指輪はめてあげる。
 あー、もう。また泣いちゃった。ほんと泣き虫だよね、名前は」


 いや、これは明らかに五条さんの報連相ミスでしょう。二人だけの世界に入っている五条に対し、七海が思わず心中でいれた突っ込みは最もであった。
 最初に名前に何か隠していることはないかと問われた時に、五条がこのことにすぐに思い当たれば、これ程拗れることは無かっただろう。そして当然、この騒動に七海が巻き込まれることも無かったのだ。


「うん、サイズぴったりだね。
 似合う似合う」
「すごい……。こんな大きいダイヤ、私初めて見たよ」
「ほんと良かったよねー。僕に壊されて塵になんなくて」


 しかし今や、当人たちは甘い幸せムード一色で、そんな過去のことはどうでもいいようだった。
 七海はそんな二人を見ながら、声を大にして言いたかった。こんな茶番があってたまるか。


*****
指輪は〇リーウイ〇スト〇で、オーダーメイドで作りました。

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