フィールさんマジ童貞。

*リクエスト:フィールさんが襲われる話/ぬるいero


たった一時間前の出来事である。「パーツを譲ってくれないか」とその男――遊星と名乗るいかにもな少年が言うので、私はデュエリストらしく応えてやったまでだ。ならばアンティデュエルだと。このサテライトでそう易々と自分のものをくれてやる人間がいるものか。
本人はさぞデュエルの腕に自信があったらしい、でなければこんな賭けなんてしなかっただろう。それにしても私の実力と私が自分を見る視線の意味に気付けなかったのだから、まったく運の悪い少年だ。


「お、おい待てッ…!」
「何を?」

そして今現在、そのほとばしるチェリーな香りのする遊星くんとやらは私の手によってインナーを剥かれている真っ最中である。この状況、お分かり頂けるだろうか?

「それとも、決闘疾走者が今更約束を違えるなんて言わないよね?童貞賭けちゃったもんね?」
「……っく、この、変態…!」
「男らしくないなあ。あんまり大きな声出すと口になんか詰めるよ」

そうだ、ギリギリまでの抵抗と減らず口がなければ面白くない。その点でいえばこの子はまさに完璧、稀にみる上玉だ。
インナーを首元近くまで捲りあげれば壮観である。羞恥で赤くなった顔には汗がにじみ、自身のベルトで拘束された手首はきしきしと僅かな抵抗の音をたてる。こんな状態の少年を見て興奮しない童貞好きがいるだろうか!見下ろしながら舌舐めずりすると、遊星の喉も小さく鳴った。身体が若いものだから、こんな状況じゃ意に反して勝手に興奮してしまうのだろう。

程々にくつろげたズボンごしに股間を撫でると、そこはすぐに反応する。呻くような喘ぎを楽しみながら弄ってやれば、ズボンはあっという間にテントを張った。これだから童貞くんはたまらない。ああ、なんて可愛い生き物だろう。神様ありがとう生きててよかった。

「うう、あ、ぁっ触るな…!」
「いい反応だねぇ、初めてなんでしょ?諦めて素直に気持ち良くなっちゃいなよ」

たとえ硬い布越しでも、「人に触られる」という意識とそれが及ぼす快感は性体験のない健全な男子には充分すぎる刺激である。てろりと耳をねぶると、遊星はびくびくと肩を震わせた。もうすっかり私よりも息が荒くなっている。かわいいなあ。

「やめっ、あ、や、出るっ…」

掠れかけた声をあげて、遊星はあっさりと一度目の射精をした。初めて人に性器の部分を触られたことへの興奮と恥ずかしさを浮かべ、達した余韻で小動物のように震えながら荒く呼吸をする姿。最高だ。私は自分がさらにこの少年に欲情していくのを感じて胸を震わせていた。

「だらしないね遊星くん。まだズボンごしだよ」
「っは、はあ、…も、やめろっ…」
「何言ってるの。自分が何を賭けたか覚えてない?」

ジッパーを下ろし、精液で染みのできたトランクスの中をまさぐる。濡れているそれを撫でればくちゅ、とやらしい音がした。まだかたい。
性器を取り出して空気に晒すと、遊星は唇をかたく結んで顔を背けた。

「ん?こっち見てよ」
「………っ」
「…ふーん」
「……!っあ、く、なにして…!」

ぱくりと一口で咥えると、それはすぐに反応を見せた。
舌でゆっくりと筋をなぞり、唇ではみながら音をたててやる。すでについた精液がローションの代わりになっているので刺激も強いことだろう。

「…んむ、くひでひゃれるの、きもちひい?」
「あっ、あ、うぅ…しゃべる、なっ…!」
「ふふ」

不意打ちで先を吸い上げると、遊星は顔を真っ赤にして喘ぎなのか抵抗なのかも分からない可愛らしい声で鳴いた。唾液でぬめる舌でちろちろとくすぐれば応えるように透明な液が溢れだす。だめだ。我慢できない。

いかないようにぎゅうと根本を握り、唾液の糸を引かせて口を離した。

「あ、え…?」

拘束のベルトを外し、口を小さく開いたまま呆ける遊星の腕を引っ張って上体だけ起こしてやる。もどかしくてショートパンツと下着を一緒に脱いだ。
固まった表情でこちらを見る遊星にくすりと笑ってみせてから、そこを擦り合わせるように跨った。

「ふ、ぅう…」
「お互いぬるぬるだね。擦れるの気持ちい?」
「…あ、う、もう、我慢できなっ…」
「なにが?」

腕は解放されたのに力がうまく入らないらしく、上体を支えるので精一杯というように震えている。そのくせなにか焦れるように腰が揺れて、その度にそこからやらしい音がした。

「ねえ、どうしたいの?言ってみてよ」

そう言うと、はじめて目が合った。間近で見る青は快感に濡れて、今にも泣きそうな切ない色をしている。

「ゆうせいくん?」


噛んだ唇が震えながら、ゆっくりと開かれていく。
そこから言葉がこぼれる前に、私はたまらずそこに噛みつくようなキスをした。










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end
2011.06.14



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