由衣ナレ01「あれから私と緋乃は、話すことはおろか目さえ合わせることが減りました。そしてそれは彼も同じことでした。私たちは喧嘩しているわけではありませんが、お互いにそうすることが賢いと思っていたからです。だからと言って前みたいに友達がいなくなったのかというとそうでもなく……」

羽芽02「由衣さん!今日どっか遊びに行きましょうよ!!何なら家に来てくださいよ!!」

由衣ナレ03「この子は吉野羽芽。何だか私に構ってくるちょっと変わった子です。正直なところ少しうるさい僕っ子です。」

由衣04「嫌よ、あんたには友達以上の何かを求めている感じがするわ。」

羽芽05「ちっ、バレたか…。でも由衣さんは僕のものですよね♪」

葵衣06「ちがうよ!由衣ちゃんは私のものなんだよ!!」

羽芽07「違う!僕の!」

葵衣08「私の!!」

羽芽09&葵衣10「「どっち!?」」

由衣11「どっちのでもない。っていうか人を物扱いするな。」

羽芽12「えぇー…じゃあ」

緋乃13「羽芽ー!!次移動教室!!行くよー!!」

由衣14「……ほら、お呼びよ。さっさといってきなさい。」

羽芽15「うー…またあとで来ますからね!!」

葵衣16「えへっ、由衣ちゃんゲットだぜ!」

由衣17「ばーか、あんたは麻野君のでしょ。」

由衣ナレ18「緋乃は私をいないものとして扱っているようなので、私も見て見ぬふりをしました。だからでしょうか、さほど心は痛みませんでした。」

葵衣19「ねぇ由衣ちゃん。聞こう聞こうと思ってたんだけど、最近佐藤君と喧嘩した?喋ってなくない?」

由衣20「……大丈夫よ。心配しないで。」

葵衣21「ならいいんだけど……」

由衣ナレ22「やはり……周りにはそう見えるようです。」

羽芽23「ねぇ緋乃?由衣さんと喧嘩した?」

緋乃24「は?」

羽芽25「その反応はやっぱりそうかー。由衣さん緋乃が来たとき一瞬だけどビクってしたもん。」

緋乃26「あんたはどっちの味方なの?」

羽芽27「味方?そんなんじゃないよ?2人とも好きだから、僕は2人と仲良くするよ。」

緋乃28「あっそ……」

亮29「あ、おーい津田ー!!」

緋乃30「佐藤、どうしたの?」

亮31「べつにどうもしないけど。見掛けたから何となく?」

緋乃32「ふーん。…あ、そうだ!今日一緒に帰らない?部活早く終わるんでしょ?」

亮33「え?あ、…帰るのは…その……」

緋乃34「中野になら遠慮しなくていいんじゃない?向こうが声かけてこないだけなんでしょ?」

亮35「そうだけど…俺もあんまり話しかけないようにしてるからかも……」

緋乃36「…私の話聞いてた?それでもあいつの味方なの?」

亮37「いや…味方とかそんなんじゃなくて……」

緋乃38「……分かったわ。あいつがどういう奴か、詳しく話してあげるわよ。」

緋乃ナレ39「友達として、佐藤をあんな周りを見下している奴と一緒にいさせたら可哀想だと思った。だから絶対に引き離したかった。たとえ、嘘をついてでも……」


episode4 end.




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