由衣ナレ01「時は流れて10月になりました。受験生の10月と言えば、早い人にとっては結果待ち、一般入試にとっては準備期間といったところです。そして…」

亮02「えぇっと……」

由衣03「おはよう。どうしたの?」

亮04「あぁ、おはよ。ちょっと先生に用があって…あ、先生ー。」

教師05「どうしたの?」

亮06「大学受かりました。」

教師07「おぉー、おめでとう!」

由衣08「受かったんだ…。おめでとう。」

亮09「ありがと。じゃ、その報告しに来ただけだから。」

由衣ナレ10「この喜ばしい報告を聞いて少しがっかりした自分がいたことに気付き、ますます自分が嫌いになりました。ですがそんなことばかり言っている暇はなく、私も受験勉強をしました。合格したのは1月のことです。もう、卒業はすぐそこです。」

仁11「ホンットーにいいのか?後悔しないか?」

由衣12「しないわ。」

仁13「本当の本当に本当?」

由衣14「しつこい。」

悠人15「何事?」

仁16「こいつ、本当に佐藤に告白しないんだって。」

由衣17「何言われたってしないわよ。」

悠人18「…100万円あげるから告白しなさい。」

由衣19「しないわ。」

仁20「告白しなかったら俺が死ぬから告白しなさい。」

由衣21「するわけないでしょ?」

仁22「おい聞いたか?鼻で笑いながら即答だぜ?」

由衣24「私はわざと佐藤に告白しないのよ。だからほっといて。」

葵衣25「ゆ、由衣ちゃん!」

由衣26「だから何言われたって…」

葵衣27「そうじゃなくて、後ろ……」

由衣28「え?」

亮29「あ…いや、その………」

由衣30「あ、あ……ちちっ違うのよ!こっ…こここ告白ってのはね!?大学受かってることを告白したくなかったってことなんだからね!!」

亮31「頑なに言いたくないと言っていたのに今さらりと言ってるけど…」

由衣32「説明のために口を滑らせちゃっただけよ!勘違いしないでよね!?」

亮33「それはツンデレ?」

由衣34「バカ言ってないで帰りなさいよ!チャイムなるわよ!?」

亮35「その前に化学の教科書貸して。」

由衣36「え、えぇ。…はい。」

亮37「さんきゅ。じゃ!」

仁38「……バカだなー、勢いで言っちゃえば良かったのに。」

由衣39「バカはあんたでしょ…あの表情と言動……余計にできなくなったわよ。」

由衣ナレ40「こうして、最終確認を終えた私は卒業式を迎えるのでした。」

episode10 end.





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