その一言を待ってたんだ
私は嫉妬深いみたいだ。
オッサンだけど私の彼氏であるバギー。
最近バギーがアルビダ姉さんと話しているところをよく見る。しかも二人、笑いあっている。
そんな二人に割り込む隙はなくて、本当はバギーの好きな人は私じゃなくてアルビダ姉さんなんじゃないかと思ってしまう。
アルビダ姉さんは頼れるお姉さんで仲間だけど…でもどうしても嫉妬してしまう。
なんて醜い女なんだろう、私。
二人の姿を見たくなくて自室に戻る。
ベッドに寝転んでさっきのことを思い出すと色んな気持ちが重なって涙が出る。
少し落ち着いた頃には眠たくなってきてウトウトしていた。
そんなとき悩みの種が部屋にやって来た。
「あなたのなまえ!居るかァ?」
「ん…」
「まだ昼間だぜ?起きろ!」
「ほっといてよ…私はお昼寝タイムなの」
「せっかく構ってやろうと思ったのによォ」
何よ、アルビダ姉さんとの楽しい話が終わって暇だから来たんでしょ?
「バギーは…」
「何だ?」
「誰が好きなの?」
「はァ?何言ってんだ?」
「…私より、アルビダ姉さんが好きなんでしょ?」
俯いてバギーの返事を待つ。フラれちゃったらどうしよう。
「…プッ、ぎゃっははは!おめェアルビダに嫉妬してんのか?」
「なっ!?笑わなくてもいいじゃん!」
「ったく、アルビダとは何もねぇよ!ただ酒の話で盛り上がっただけだ」
でも…そんなこと聞いてもやっぱり嫉妬してしまう。
「私って醜い!!やなヤツ!やなヤツ!やなヤツ!」
立ち上がって部屋の隅でそう叫んでると目の前が真っ暗になった。
バギーに抱き締められているのだと、すぐに分かった。
「バギー…?」
「そんなやなヤツを好きになった俺はもっとやなヤツかもしれねェな」
「…そうだね」
「おいッ!そこは否定しろよ!ハデアホッ」
そう言ってバギーは私を抱き締めている腕の力を強めた。
「バギー…大好きだよ」
「あぁ、分かってる…俺も好きだ」
きっと私はこの一言を待っていたんだ。(バギー、顔真っ赤だったし、ちょっとキザだったよね)
(何ィ?!誰が"鼻真っ赤でちょっとサギ"だァ!?コラァ!)
(言ってねーよ!!)
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