121湖に映った朝焼けの空


朱色の空が湖に映っている

兄さんは黒と白でそれを描く

私はただそれを見つめるだけ

なんでもない、いつもの一日





122夏に沁みたシトロンの味


「・・・・・あっちぃ・・・・・」



こと



「はい、○○」

「サンキュー」



ゴキュゴッキュンゴキュ



「シトロン?」

「まぁね」

「「おいしい?」」





123あの日の対価は今日の烙印


あの日、俺は妹を助けられなかった

あの日、俺は妹を見捨てた

あの日、俺は妹を殺した



妹はずっと俺の背後にいる

小さい手が烙印として俺の身体に絡む



あの日の代価はとても重くて大きく

俺の人生に寄りかかる





124アンニュイな午後


ボクはネコ

いつものアンニュイな午後

ボクはお気に入りの場所でごろり

空は晴れてて、とてもぽかぽか

あぁ、眠い





125史的唯物論者の妄想


「あぁ、だから○○は〜〜〜」



「あの人っていつも内容が同じだよね」

「きっと妄想が酷いのよ」





126風俗批判をする画家のこと


画家とは科学者であり情熱家である

と、記した者がいた

そして其処に風俗批判をする画家がいた

彼は ミダラナ ことはいけないことだと言った



でも、それって ギゼン だよね?

世界は美しいものだけでできてはいないよ?

どうして目をそらすの?

だからボクは貴方が嫌い





127煩わしい、君と僕との繋がり


羊水に満たされた水槽に漂う君

僕は君を調べている研究者










でも

           愛してしまった










愛さなければ、幸せだっただろうか?

会わなければ、幸せだっただろうか?

逃げ出せれば、幸せだっただろうか?

君は硝子の内側に

僕は硝子の外側に

触れ合うことのない僕達は

もどかしくて切ないプラトニックな愛を紡ぐ

(全てを捨てられる勇気があったらいいのに)





128蝕まれた頭脳回路


シンナーが脳内を侵し

思考が鈍り、意識が白濁としていく

セックスでイった時と似た感覚

何も考えなくていい



私は思考を止めた





129誇り高き掃溜めの街


昔は栄え、誇り高き街

今は寂れて、ただ「過去」の威光に縋る

掃き溜めにたまるゴミ

裏でしか生きられぬ者達

そんな感じの人しかいない

誇り高かった掃き溜めの街





130天秤に乗せた感情



貴方は優柔不断

いっつも あっちにいって

こっちにきて

私だけじゃないんでしょ?

いつも ぐらぐらぐらぐら

そこがきらいよ







配布元:中途半端な言葉


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