111アクリロトリルのソネット



幸せだった

あの人がいて 私がいて

でも あの人は 私を裏切った

私のこと   アイ   してはいなかったんでしょう???

だから あげる

アクリオトリルのソネットを

猛毒のソネット

死の詩を





______あなたに





(泣いて叫ぼうが 許さない)

(あなたの詭弁はもうたくさん!)

(大丈夫 あの女は先に待ってるわ)

(あぁ、なんて優しい   ワ  タ  シ  !!!!)





112無作為に降り月を食い破った



ごめんね

わざとじゃないの

こんなつもりはなかったの

ごめんね


あなたをこわして





113いつだって忘れ去られる神

祈りは神を創った

人は皆、想った

それは祈りに似ていた

しかし、年月が流れれば祈りは自己の欲望だけとなった



私はそんな世界を見守るカミサマ

いつだって、誰も私をしらない





114金平糖の甘いつの


「どうしたのそれ」

「ん?金平糖、貰ったの」

「へぇ、おいしい?」

「うん」

「じゃぁ_____」



「んっ・・・」

「ごちそーさま」



甘いつのはキスにとけて





115散り花に、餞の宴


「あぁ、散ってしまうのか?」

___はい

「そうか・・・今年も良き香りだった」

___ありがとうございます

「また、来年会おうぞ」

___はい、また

キンモクセイは甘い香りの残滓を残し

雨の夜に散った





116慟哭の夜に覚えた逸脱


どうしてどうしてどうしてどうして

俺がこんな奴に頭を下げなければいけないんだ

こんな屈辱的なことを

こんなつまらないことを

やらなくてはならないんだ!!!

くやしいくやしいくやしいくやし


あぁ、誰も俺にかまうな!!!!





117深海魚が縋り付く海の暖かさ


ぼく は ひとり

くらい くらい くらい うみ の なか

かなしくて

       やさしくて

                    さみしくて

   あたたかい   やみ



こどく が この うみ の ゆいつ の あたたかさ





118雨上がりの散歩道


雨上がりの散歩道

私は少し静かなこの道が好きだ

私にはこれを描けないけれど

私はこの時間が大好きだ





119駆け上がった非常階段の先は


バンッッ

駆け上がった非常階段の先に


君はいない


君はみんなの「思い出」の中から消えてしまった

ボクは君を覚えているのに

それとも、

ボクは君と一緒にいると錯覚していただけだろうか?

もしかしたら、

今のボクは夢の中にいるのかもしれない

君がいつもいる非常階段の先に

ボクは駆け上がり君を探す





120暁光に願ったのは何


地下世界からやっと地上に這い上がった

俺たちが見たのは

水も緑もない赤く赤く広がった大地

空気が酷く乾燥していた

空の小さい光が輝きを失い

赤く燃える太陽が大地から出てきた

あぁ、ここが___________









配布元:中途半端な言葉


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