081泣いて捨てられるもの


「ごめんね、ごめんね」

「しかたなかったの」

「これ以上養えなかったの」

「殺さないのが優しさよ」

「ごめんね、ごめんね」



そう言って、貴女はボクを捨てました





082気まずさを隠すための嘘


「あの子は生きているのね」

「はい、御子様はすくすくと御成長なさっています」

「そう・・・私は仕事のほうにむかいますね」

「はい、女王陛下」

(御子様は女王陛下自らの手で御殺しになったのに)

(真実を隠し、妄想に溺れる為の  ギ シ キ   )

(あぁ、なんて心の弱い人)

(私が貴女の”セカイ”を守ってあげましょう)

( オ ロ カ ナ 貴女の為に)





083未来への希望、現実からの逃避


大きくなったらワタクシは美しくなるの

大きくなったらワタクシは素敵な人と結婚するの

大きくなったらワタクシは

       ワタクシは



  ワ   タ   ク   シ   は



「あの子、頭やばいんじゃない?」

「しっ、関わらない方がいいよ」

「だって、本当じゃない」

「確かに現実逃避しすぎとは思うけど・・・」



未来への希望=現実からの逃避



「「自分が変えようとしなければ変わらないのにね」」





084虚言夢幻


ウソで築き上げたボクの王国

それは シアワセ で アタタカイ モウシュウ

そして ハカナイ



ヤメテヨ

ヤメテ

ヤメテ



ヤ   メ    テ  !!!!!!!!



言葉は コクウに のみこまれた





085完全なる技巧


「先生」

「何ですか?」

「先生はどうしてこんなにも完璧にできるんですか?」

「・・・何を?」

「技巧を」

「ふふふ、貴方が気がついていないだけですよ」

「そんなことありません!」

「貴方に何がわかるというのですか?

 全てを知っているわけではないのに

 とても人間という生き物は傲慢ですね

 完全な技巧なんてどこにも存在しませんよ

 そ う 、 ど こ に も 」





086牢獄の中のロイタナジー


ここは城で牢獄

私は出たくないから牢獄かしら?

私は安楽死を望みます

肉体と言う” オリ ”から永遠の釈放を望みます





087壁に飾った真っ赤な罪


あなたに差し上げましょう

壁にでも飾ってください



その人はころりと私の手に小さな人形の頭を落とした

それはひどく赤黒く汚れていた



_____それは”あなた”が殺した赤ん坊ですよ



聞こえない

なんていっているか分からない

壁にでも飾ろう

うん、そうしよう





088アンフォルメルの瞑想


全ての形を否定して

原色で世界を描きましょう

形に埋もれた真理を否定しよう

さぁ、目をつぶって





089絶望の忌憚と、自由の放棄


みんな ぼく を きらうの

こわい こわい バケモノ なんだって

だから くさり に つなぐんだって

やみの なか に かくすんだって



つかれちゃった



もう ねむろう





090蜃気楼に溺れた僕


大蛤が 吐いた息

つかの間でもいい____一時の夢を_______

僕が望むままに

見せてください



そして  オボレル









配布元:中途半端な言葉


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