051少しだけ躊躇った理由


まっすぐに見た

透明で 綺麗で 純粋で

殺すのが惜しかったのかもしれない

そう、ただそれだけ

ただそれだけ―――





052傍観者の安堵


あぁ、死んでしまった

でも、私は傍観者

絶対的な安堵



さぁ、今日は何を読もうか





053狡猾い選択


どんなに大切な人でも恋はしてはイケない

大切な人とはいられなくなるから

だから、私の選択は狡いの

貴方の特別じゃなくていい

ただ傍にいさせて?





054腐って落ちた果実


里は随分と腐ってしまった








さぁ、もういいだろう?








腐ってしまった果実を落とそう

(切り捨てても何の感慨もわかない)

(俺がバケモノだからだろうか?)

(あぁ、ただ愛していないだけか)





055いつまでも残る君の横顔


君はここに座って、肘をついていつも外を見ていたね

夕日が窓から紅い赤いアカイ光を差し込んでいたね

そして僕の方を向いてにっこりと笑ったね

こんなに僕は君を憶えているのに



  君  ハ   イ   ナ   イ





056ねぇ、何も与えないで


私は何も貴方にあげれない

ねぇ、何も私に与えないで

私は何も貴方から奪わない

ねぇ、何も私から奪わないで


それでいい

それがいい





057傷跡に咲いた花


争いはやっと終わった

もう、あの日からニ年と言う月日が流れた

大きな傷跡は痛みを忘却の彼方へと追いやり

今は風化を始めるばかりだった

またこの記憶でさえも

そうしてまた花が咲く





058限りないあおいろ


彼の目はとても深いあお

それは自由に似ていて

私はその色が大好きだった



(でも、世界はあおを許さなかった)





059僕が唄えば君が泣く


月夜の晩に空を見上げて口ずさむ

すると腕の中の君は泣く

君から生まれた水球は布にシミをつくり

僕から生まれた朱球は熱を逃がしていった

笑い方も怒り方も泣き方も痛みの訴え方さえも知らない僕のために





君は泣く




あぁ、もう歌えないや





060つくりものの道化師


「こんなこともできんのか!!?」

「あんなことでさえも出来んやつが我が本家の長男殿か・・・」

「弟君はあんなにできるのに・・・」


作り物の道化師に気付かない   アナタ   が一番道化師だ






配布元:中途半端な言葉


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