031夢の中の夢


夢の中で夢を見た

全てが透明な青で上っているのか下っているのか分からない

夢の中で目を覚ます

それは穢れを知らなくて



美しかった



そしてまた目を覚ます

また見れたらいいと思う





032裏切り続ける運命


いつも いつも あの女は裏切るのに

いつも いつも おまえは懲りずにまた信じる

あぁ、また働き損かよ





033描かれた雨の夜


骨ばった手が滑らかにキャンバスを走った

彼はいつも雨の夜を描いている

そっと昔の絵をとり眺めて見る

とても悲しくて、深くい藍

そしてとても透明

描かれた雨の夜をそっと置いた





034震える指先


そっと姐さんは御手をお重ねになって

大女将の御前に礼をおとりになりはった

「今までありがとおうございます

今日からその恩をお返すために尽くしますぅ」

「がんばりや」

大女将はんは淡々と言うと先にお立ちになった

姐さんも立つ

今日は挨拶周り

私はけして今日のことは忘れません

姐さんの振るえた指先を





035望まなかった未来


ただ、そばにいたかっただけなんだ

ただ、一緒に笑いたかっただけなんだ

私は独り残され絶望する



私ハ コンナ 未来ヲ 望ンデ イナカッタ





036ほろ苦いプライド


彼はとても意地っ張り

甘党だって別にいいのに

無理してほろ苦いコーヒーを飲むの

はぁ、顔顰めちゃって

そこまで守りたいものなんですか?

”プライド”って





037掴み損ねたあの星屑


夢をみた

子供の頃のあの流星群

もしもあの時星をつかめたら

僕の未来は変わっていただろうか?

今、僕は探している

あの日つかみ損ねた星屑を





038朽ちた鍵に合う扉


森の中にある不思議な扉

水晶のように透けている

きれいなモノと朽ちた一本のカギ

なんとオニアイデショウ!!!!!!





039狂った旋律


一つ音が抜けただけで音楽は狂いだす

一人大切な人が居なくなると僕の世界は狂いだす

それでも時間は止まらない

狂った旋律だけで構成された世界





040贅沢な静寂


「あっ、先に行くね」


友人が扉の向こうに入っていった

ブーケを両手に持ち、高鳴る心拍数

ひっそりとやってきた贅沢な静寂


コツ


「いこうか」

「はい」


そして扉はゆっくりと開かれた






配布元:中途半端な言葉


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