001音を奏でるもの 由貴のヴァイオリンの音が大好きだ やさしく包むように、俺の心を揺さぶる 彼女は音の溢れかえる世界で唯一の”音を奏でるもの” あぁ、由貴のヴァイオリンが聴きたいなぁ 002言葉のない歌 きっと、人魚は言葉のない歌を歌うのよ 声だけで他の人を求めるの 喜びも 怒りも 悲しみも 全てを声だけで伝えるの 運命の人なら分かってくれるよね? 003あの頃見上げた空 8月15日 あの年私は全てを失いました 友人も 先生も 家族も 大好きだった人も――― カナシイカナシイカナシイ そしてあの日の晴れた空がとっても憎い 004僕らのひどく歪んだ関係 数多に身体を重ねて埋められない愛をムリヤリ満たす 彼女も 僕も トッテモ サミシインダ いくら重ねてもどこかに隙間があって足りなくなる また身体を重ねて 何て歪んだ関係 005疑似世界 彼女はとてもカワイソウな人 壊 れ ち ゃ っ た ん だ 現実の世界で生きられなくなって 疑似世界へ逃げちゃった え?何で理解できるかって? 僕が彼女の全てを壊したの これで彼女は僕のもの 006セピア色した祈り 貴方と結婚して21年 何で私は貴方と結婚したんだろう? 21年 長くて短かった時間 21年前の私は何を願ったのかしら? 貴方と共に『アレル未来』かしら? でも、その祈りはセピア色に変色して私の中に埋もれてしまった 今日も私は貴方といる 007夜明けの匂い コーヒーを○○はすっと差し出した 俺はそれをそっとそいつから受け取る ブラックのコーヒーが喉を通った 水平線から太陽が覗いた あぁ、夜明けだ 008憶病者の戯言 あなたはいつだって「シカタガナイ」って諦める あなたは分かっていますか? あなたは憶病者なだけなんです あなたは分かっていますか? あなたは「シカタナイ」って言いながら瞳はいつだって助けを乞う だから私はあなたの戯言に耳をかさない だから一緒にあるこう ね?一人じゃないでしょう? 009溢れ出す幸福論 「いつか幸せになるよ」 「いつか?」 「未来は」 「未来?」 「うん」 あなたはそうやって幸せに笑っていたよね でも、未来はいつも私には優しくなかったよ カエッテキテ アナタノ コウフクロンデ ダマシテヨ 010殺戮、或いは終わらない破壊 あぁ、またやってしまった 真っ赤に染まってゆく床を見つめて溜息を零す この人で何人目だっけ?いや何十人目? 俺は俺でいる為に殺す 無自覚に 無意識に 無意味に 破壊は俺が壊れるまで終わらない エ イ エ ン ニ 配布元:中途半端な言葉 戻る |