―――――っちゃ、ちゅく…

苦く甘い小さな粘膜が触れ合って離れる水音はどこかぎこちない。薄汚いパイプベッドの上で衣類を纏っての対面座位でディープキス、少女の股を押し上げる熱は確実なモノになっていく。


「…お前やる気あんのか?こっちは態々釣られて金払ってやってんだ」

酒臭い男の蒸れた息が鼻を衝く。少女は黙って謝罪の代わりに口付けを再開させた。

下品に乱れて、前戯ではできるだけリードして男をその気にさせろ。そう習っただけではどうしたらいいかなんてわからないが、客は待ってくれない。

男の舌を引きずり出せてもうまく絡めず息が上がって自分から先に離れてしまう。いい加減にしろと言いたげに男は舌打ちをした。このままキレて自分を殴って部屋から出て行ってくれるかもしれない、期待を抱く。なにせ殴られるのには慣れてる。


「……お前処女だな?そうだろ?」

しかし思わぬ質問が飛んでくる。


「売春婦のくせにろくなキスもできねぇ」

『……今日が仕事初めてでどうしたらいいか…』

「はっ、やっぱりな。…5$の純潔か。随分安く買われたモンだ」


『―――っ!?』


ぐるんと視界が回って押し倒されると、固いマットに打ち付けられて体がバウンドする。


「名前は?」

『…名前』


名乗ると無表情な彼は口付けを手解きする。
ちまちま舌を啜るのではなくて、男の口付けは身震いを起こすほどねっとりとしていて、舌根から溶かされて引き抜かれそうになる。


「…お前が感じてどうする?」


トロトロの唇が囁き、頬に冷たく透明な軌跡を残す。

「この一回で全て覚えろ…」

『す…べ、て……?』

「そうだ。…わかったな名前?できないなら止めちまえ」


まだ「一部」。「全て」という響きに気が遠くなる。冴えない酔っ払いと思っていたのに、選んだのはとんでもない男だった。

====middleとbitch====


甚 振ら  れ る 快    感


☆おしまい☆

DV少女が売春始めてみたら相手が野生のクリスさんでした。実際サバサバしてそうで冷たそうだなと思って書きました。優しくはなさそう。個人的ですがクリスさんは付き合ったら女が年中泣いてそうですね(笑)
記憶なくても物事教えるのは得意なのが我が家クリスさんでした!


全28ページ

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