遠い。

遠い。

遠い。


遠くはないけれど近くもない此の微妙な距離の中で僕は君だけを思って居ました。

虚像の君に欲情。

実際は愛しさのカタマリ。

少しね、僕は僕が恐かったりする。
君を駄目にして終いそうで。
愛して居るけれど、ふと殺したくなる衝動に駆られたりするんだよ。
間違えても嗜虐じゃないけどね。


行かないで。

行かないで。

行かないで。


瞼の裏に焼付いた太陽は目障りなだけで、視界にチラチラと邪魔をする。
ねぇ、御陰で君の顔が見えないよ。

冷たい肌を合わせて居た。
囁いて、囁いて、嘯く事も少しはあったけれど。
幸せと呼ぶに値する行為だった。


涙。

涙。

涙。


…雫?


泣くだけなら、只。
唯、泣いて居た。
そう、徒、泣いて居た、だけ。


泣いたって如何にもならない事ぐらい知って居るのにね。

牽制

桎梏

白い毒を吐いた。


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