Gloria

行く当ての無い足痕を憑ける触手は月の明かりに昇華され。

ぬたりと温かい。

猫の舌の様にざらついて。
広葉樹の葉は漆器の艶やかさを保って居た。

新緑の鮮やかさ。
夕日の赤。
夜の光。
夜光虫の輝きを。

閃光と雷鳴。
蜘蛛の巣を逃れた羽虫はカワズの舌に捉えられ。
波打つ水面を風が突く。

甲高い鐘の音。
怒号の失落。
黒いアゲハの嘆きは渦へ。


遥か思い出して下さい。
ざわめきと日影と。



花よりも華やかに。




感じさせてよグロリア。


prev / next

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -