From Mr. Unknown

こんにちは。
今日は君に手紙を書きました。
面と向かって言うのが苦手なのは、君も知っての通りです。
だから、僕は筆を取りました。


お元気ですか?
ちゃんとご飯は食べていますか?
君の事だから、めんどくさいと言って余り食べていないのでしょうね。
でも。いつかこの世に生を受ける、君と、君の大切な人との間に生まれる子供の為にもちゃんと食べて下さいね。

近況報告と言ってはなんですが、僕は相変わらずです。
楽しみが猫と戯れると言う、おじいちゃんみたいな生活を送っています。

君と離れてから、なんだか部屋が広く感じる様になりました。
洗面台の歯ブラシと、鏡台と、衣装ケースが一つなくなっただけなのに、不思議ですね。猫も心なしかつまらなそうにしていました。
一人の朝を迎えるのが前は悲しかったのに、今ではさほど感じなくなりました。
それがなんだか少し寂しいと思う僕は、未練がましいのでしょうか?




追伸

君へ。
最後に言ったあの言葉は、僕にしては少し見栄を切り過ぎた様です。


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