シチセキ

今年もまた雨だった。

(予想外と言う訳では無いけれど、当たっても嬉しくないのはアレだからだろうね。うん)

僕は生まれてから一度も写真以外で天の河を見た事が無かった。

(何だか嘘っぽいとか思って終ったけれど、毎度毎度不覚にも感動して終う)

それを、ほっと胸を撫で下ろして安心する僕と、ちっと舌打ちをして残念がる僕とがいる。

(野次馬根性って、汚い)

地上から天の河は見れないけれど、空の上では再会しているのだろうね。
七夕がいつも晴れないのは、きっと人間達に邪魔をされたくないからで。
年に一度しか逢えない二人がゆっくり過ごす為に、誰かさんが雲を呼び寄せているに違いないのです。

(二人を引き裂きながらも心配で堪らない例のあの人とか……)

誰だって、他人に観察されながら二人の時を過ごすのは嫌ですからね。



(野暮な事はしない主義さ)


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