稀白

誰か を 救えると
信じ て いた 頑なに

意味 が あるのだ と
思 って やま なかった

悪意に 満ちて いる
悪意に 満ちて いる
悪意に 満ちて いる
悪意に 満ちて いる
悪意に 満ちて いる
悪意に 満ちて いる

染まらな けれ ば
殺サレ テ 終 ウ




今し方何処かへ堕ちた気がするのだけれど是以上何処へ堕ちるのかと自分の声がして無性に泣きたくなって嗤った。
欄干に足を掛け見渡した河川敷は閑散と息を潜め昼間の喧騒も穏やかさもなく月の様に佇んでいる。是から向かう先は無だ。

神様は無だから全知全能で全知全能ではないのに私達は自己の力を偶像崇拝しているに過ぎないのよ。
天上に神は決して座してはいない。私達の意識下にこそ神の座する処がある。

白んでいた吐息も今では朧気で、祈る様に手を擦り合わせる必要も亡い。


希薄。


総てが希薄だ。


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