羯磨

毎日が戦争だった
一体何と戦っているのかもわからずに

ただ走り続けていた

自分を棄て去り 声にならない叫びをあげて
涙を流しながら この身を引き裂いた

仮面を身につけ 息を切らし
割に合わない大きな剣を手に 阻むものを薙ぎ倒す

血は赤く 涙のように流れ
視界が塞がれようとも
気を高ぶらせ立ち上がり 声を張り上げた

何も考えずに周りに流されて
血に塗れて 銀色に冷たく光る刃
誰もが疲れ果て
死ぬことの出来ない唸り 失った憤る嘆きすら
赤い空に吸い取られ 消えていった

血の荒野に立ち
曲がった剣を支えに 泣き叫び崩れた

一体何の為に

何度繰り返したのだろう
誰に問いているのかもわからずにいた
耳に焼きつく赤い声が 溢れ響いていた

この手には何を掴めた この先には何がある
声にならない叫びをあげて
涙を流しながら この身を引き裂いた

何も得られはしなかった 何一つ残りはしなかった
毎日が戦争だった 一体何と戦っているのかもわからずに


ただ、走り続けていた


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