遠出

 台場に行った。
 日差し強く、人多し。
 それなりに楽しむも、疲れるのにそう時間は掛からなかった。

「あ、フジテレビだ!」

 擦れ違う少女の言葉羨ましく。
 安定を装う球体から臨む東亰は、霞む。
 豆粒の様な車の色とりどりさ眩しく、蟻の群れに、身を投じるのも悪くないのだろう。
 青い犬との微笑ましき記念撮影、データフォルダの容量残り少なく。
 白緑の金平糖は品切れ中。
 黄色と黒の紐に繋がれ空へ飛び上がる童、黄色い奇声耳に五月蠅く、その様は丸で蛙の調教。

「回ってご覧よ」

 青い服の調教師、蛙に囁くも。
 蛙、御主人様蹴り飛ばし逃げ出した。

「もう、帰ろうよ」
「もう、帰ろうよ」
「家に、帰ろうよ」


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