「ほんっとシズちゃんてデリカシーってもんがないよね?俺今日体調悪いの、見てわかるでしょ?だから無理…」 見た目以上に辛いのか、言いながらゆっくりと腰を下ろしていってぺったりと地面に座りこんだ。息を整えているのを見ながら、ふとさっき男に掴まれて声をあげた時のことを思い出した。 なんだかもやもやとしてものがわきあがって、それを確かめずにはいられなくなった。 「おい臨也!」 「……っ……あぁ!?」 大股ですぐ近くまで寄るといきなり腕を引っ張り強引に立ちあがらせようとした。しかし臨也は全身をビクッと震わし、あろうことかさっきの色っぽい声を口から漏らした。 やっぱりそうかと確信をもって睨みつけると、向こうは顔を俯かせながら口元を手で押さえて頬を赤く染めていた。 「なんなんだそりゃ、媚薬でも飲んでんのか手前?」 きっぱりと言いきった。間違いない、さっきからの過剰な反応は俺がサイモンに貰った媚薬を仕こんだ直後のものと全く同じで確かふれるだけで気持ちよくなるとか言っていたが、それだった。 はじめは顔が青白かったのでほんとうに体調も悪かったかもしれないが、今はどちらかというと欲情している瞳をしている。 「そうだよ?」 悪びれる様子もなく言い放って、俺は絶句した。こうも簡単に口を割るとは思わなかったし、なにより行動の意味が全く理解できなかったからだ。 苦々しい顔をしていると急に腕を引っ張られ、手のひらの上になにか硬いものを乗せられた。 なんだろうと手元を見ると―― 「もうわかってると思うけどさ、俺の飲んだ媚薬も数時間記憶が飛ぶようなやつだよ。きっとシズちゃん家に来るだろうと思ったから逆をついてここまで来たのに、まだ早かったようだね」 手の中にはすっかり無くしたと思いこんでいた、煙草とライターが乗せられていた。朝方帰りに少し暴れた時に落としたものだと考えていたいたのに、どうやら臨也の家に忘れたようだった。 じっとりと手に汗がにじんでいるのが自分でもわかる。遂にバレてしまったかと焦りかけたが、すぐに直前の言葉を思い出した。 「媚薬を飲んだって…?どういうことだ」 「チャンスをあげるよ」 そう言うと呆けていた俺の胸倉を掴み、強引に引き寄せて耳元に息がかかるぐらいの距離で呟いた。 「どうして俺がわざわざ媚薬を飲んでまで…シズちゃんが強姦魔だっていう事実を忘れたいか、よく考えてみてよ」 「はぁ?」 おもわず手に握っていた煙草とライターを怒りのあまり握り潰してしまうところだった。そして脳裏に一瞬だけ昨日の臨也が告げた言葉が浮かんだが、すぐにかき消した。 元々相容れない者同士が相手の思考を読み取るなどはなから無理な話なのだ。 「諦めたらだめだよ?そうだなぁじゃあヒントを一つあげるよ。この間約束したじゃん、なんでもするっていうやつ。あれ使ったらうまくいくと思うんだ」 おれの頭の中を見透かすように葉っぱをかけられて、渋々考えようとしたところでそれを遮られた。 「あはは、ごめん…っやっぱりもう耐えられないや。また明日でもゆっくり考えてみて気長に待ってるからさ。だから今日は…しよ?」 それまで正気を保っていたのが嘘のように、蕩けたような恍惚の表情をしながら俺の体に抱きついてきた。 狼狽しているうちに器用にズボンのベルトが外され、中から全く反応していないものを取り出して手で擦りはじめた。 「あぁ、でも早く気づいてくれないと俺そのうちに完全に媚薬漬けになって頭おかしくなっちゃうかもね?いくら体に害はないといってもこれだけ連続で使ってればヤバイんだよ?」 「…っ、おい臨也!」 確か体調が悪いと言っていたはずなのだがそのことはどこへやら、完全にやる気満々になっていた。さすがにマズイだろうと腰を引きかけると、根元がぎゅっと軽く締めつけられた。 「抵抗したら握り潰しちゃうよ?はぁーまったくなんでこんなのがいいんだろ。自分のことなのに全然わかんないよ」 ため息なのかあえいでいるのかわからなかったが、せわしなく肩を上下させながら息をついていた。額にはびっしりと汗をかいているようで、かなりギリギリなのが見て取れた。 今回の場合は俺のせいではないが、このままにしておくことはできないと悟ると覚悟を決めた。 「じゃあ教えてやるよ。手前が俺のものにはまって抜け出せない理由をこれで直接な」 意識した下腹に力を入れると、あっというまにそこがムクムクと膨らんでいきかなりの硬さと長さが生まれた。もうすっかり頭の中はこいつをどうやって犯そうかでいっぱいになっていた。 「相変わらず卑猥だねぇそれ。昨日みたいに暴れるのはやめて欲しいけど、ちょっと激しいぐらいならいいよ。ここに来るまで時間掛かってて溜まってるし」 「こんなところで即やりたがるようなビッチには、たっぷり思い知らせてやるよ」 text top |