「あぁ別に手前に認められなくてもいい。おもしろいもん見せてやるよ」 「は?……っ…ぅ…」 そう言うと臨也の体の中から指を強引に引き抜いた。一瞬からだがビクッと跳ねたが気にしなかった。 とりあえずまだ手に持っていたナイフを奪い取り、できるだけ遠くに放り投げて捨てた。 そしてベッドサイドにあるテーブルの上に置いてあるものを手に取った。 「よく見ろ」 「うわあぁッ!……っ、な、なんだよッ!」 わざとおもいっきり勢いをつけて空中で左右に振り回してやった後、床に降ろし首根っこを掴んで俺の顔のすぐ横に引き寄せた。 驚きの顔で目をしばたかせている臨也に、右手に持っていたものを突き出して見せた。 「え…カメラ?ま、まさか……」 「自分で用意してたのをこんな風に使われるとは思いもしなかっただろ?」 手にはハンディサイズのビデオカメラが握られていて、適当にボタンを押して巻き戻して、再生した。 『ん、うぅ……ッ…ぅ、く…っ…』 画面にはさっきの縛られた状態で目隠しと猿轡をされバイブを咥えさせられている姿がくっきりと映っていた。 「や、やだ…ちょっとやめてよ。見せなくてもいいから、っていうか離せッ!!」 口だけは威勢がよかったが、表情はかなり戸惑っているようだった。弱々しいが必死に俺の腕に爪を立ててなんとか逃れようとしている。 無視をしながら画面を見続けていると、やがて向こうの臨也に劇的な変化が訪れた。 『う、ふうぅぅッ!ん、うぅ…ぅ……っ』 縛っている縄が食いこむのも気にせずに、腰を激しくガクガクと揺らして息をついたようだった。 「お、これイッたみたいじゃねぇか。すげぇビクビクしてるぞ?」 「もう…こんなのいいじゃない。しょうがない、よ…こんな状態なんだから」 頑なに視線を逸らしながら複雑な表情をしていた。微妙に恥ずかしがっているようでもあったが、まだまだ序の口ということだろう。 「じゃあとっておきの見せてやるよ……ほら見やがれ」 「だ、から!やだって……!……え?」 巻き戻しボタンをしばらく長押しして随分と進んだのを確認した後、再び再生させた途端に卑猥な鳴き声が聞こえてきた。 『あッ…や、だ…シズちゃ、んっぅ…そこ、もっと突いて?ぐ、ちゃぐちゃにぃ…かき混ぜてぇ?…あ、はぁ…』 さっきとは違って今度の映像には、バッチリとカメラ目線で臨也が映っていた。しかも淫らで色っぽい表情を浮かべながら、俺の体の上で跳ねているところだった。 瞳も欲情に濡れていて、唇からはおねだりをするような甘い声がひっきりなしに漏れ続けていた。 「え……これなに?おれ、なの……?」 見たくないと言っていたはずなのにいつの間にかビデオの画面にくぎづけになっていて、かなり狼狽している様子だった。 こうして見せられてもすぐには信じられないような卑猥で快楽に溺れきった映像で、俺は心の中で盛大に笑っていた。 『ほら、画面に向かってなんか言ってやれよ』 『ん?あぁ、強姦ビデオに…こ、ういうのあるよね…んう…ぅっ…ほら、ピースピース』 急にカメラが後ろの引いたようで、臨也の全身が映し出されて体を揺すりながらこっちに向かって両手を突き出しニッコリと笑った。 その間もグチャグチャと結合部から水音がしていて、熱い塊が出し入れされている。 『はは…っ…おれ、は…シズちゃんのぉ…んぅ…っ、せいどれいでぇーす!…ぁ、はは…な、んちゃってぇ…』 瞳から涙をぽろぽろ流しながら、必死に口から言葉を紡いでいるようだった。冗談のような言い回しだったが、感極まったような悦びの笑顔から心底言っているようにも見えた。 その有様は画面を眺めていた臨也にもしっかり伝わっていて、青ざめながら唇を震わせていた。相当怒っているのだろうと思っていたが、不意に目線を下に向けたところで口元がニヤついた。 「なんだ?手前これ見てもしかして興奮してんじゃねぇのか、なぁ」 「え、えぇ…っ、ちがうって…!うわ、あ、いやこれはその…」 俺にそう言われてやっと気がついたのか、慌てて下半身を両手で隠すようにしてほんのり頬を染めていた。悔しさに身震いしている様子が、これからの快感に打ち震えているようにしか見えない。 最初からそうだったが、ほんとうにコイツは淫乱で最高に犯し甲斐のある奴だと改めて思った。 もしこの事をもっと前から気がついていたら、それこそ出会った頃から知っていれば、毎日学校でいやらしい事をして遊んでやったというのに。 少し残念に思いながらも学生服プレイなんかもいいかもな、と考えていた。 『そんな変態的なことを言えなんて俺は一言も言ってないっつーのに…まぁいい。そろそろ手前の大好きな精液出してやるよ』 『んぅ…いぃ、よ?はやく、はやく…っ…せーえき出してぇ。あつい、の…いっぱい…ッ、ぅう…ひゃああぁはあぁぁッ…!!』 ビデオの中ではラストスパートを迎え、派手にあえぎ散らしているところだった。 「手前も早くこうされたくて実はうずうずしてんだろ?なぁ?」 「ち、がうって…何度も言ってるだろッ!!」 その瞬間大声をあげながら俺の体に体当たりするように横から飛び込んできて、二人一緒に床を転がり倒れた。 すぐに目を開けて上半身を起こし状況を確認したら、おもしろいことになっていた。 「なるほどなぁ、やっぱりこうしたかったんじゃねぇか」 「え?……ッ、これは!違う、たまたまだって……!」 臨也は俺の腹の上にしっかりとしがみつくように乗りあげていて、まさにカメラの映像と同じ体勢になっていた。 落ちたビデオカメラは壊れたのか何も映ってはいなかったが、さながらさっきの続きかというところだった。 床に座りなおして奴の腰をしっかりと掴み持ちあげると、誘導するように勃起していた俺の股間のモノの上に乗せた。 「や、やだ…ッ、こんなの…卑怯だ!ふざけんな!絶対殺してやるッ!!」 「なに言ってんだ?尻震えて嬉しそうにしてるじゃねぇか。素直にしたほうが楽になんのによぉ」 ククッと喉で低く笑いながら、弄ぶようにそのままの状態でゆらゆらと軽く揺らした。 「…っう…ぅ…」 臨也は唇をギリギリと噛み締めて鋭い視線を放ちながら、瞳は期待に潤んでいるのを俺は知っていてほくそ笑んでいた。 text top |