男性器の形を模したゴム製の塊にイボのようなものがたくさんついていて、そこにローションがふんだんに塗りたくられててかてかに光っていた。 さっきまで二本の指を出し入れしていた場所に、明らかに大きさの違う物体を宛がわれても臨也は笑顔を崩さなかった。むしろ早く、早くと目だけで訴えているようだった。 「は…あぁぁあ、ッ、ん、うぅ……ッ…!?」 迷わず手に力を入れるとバイブはあっさりと中に滑りこんでいった。それなりに大きさはあるはずなのに、指を受け入れた時と同じで腰の動きに合わせてどんどん飲みこまれていく。 それを眺めながらもし自分のモノがそこに入ったらどんなに気持ちがいいだろうかと想像してしまっていた。だがまだもう少しこのオモチャで楽しんでからと昂ぶる感情を抑えた。 後半はほとんど力をこめなくても勝手に吸いつくように受け入れていって、薬の恐ろしさを実感した。とても男に掘られるのがはじめての奴とは思えなかった。 「はッ、あぁ…は、いったよ…?こんなに狂暴な形して、るのに…いたくなくて、さ…ほんとおかしいよね…ッ…」 胸を上下させて息を整えながら、戸惑い混じりに臨也が言った。媚薬の効果を知っている奴のほうがきっと、これからどうなってしまうかを一番よくわかっているのだろう。 一瞬だけ迷ったが、すぐにその思いをかき消して根元についているスイッチを入れた。 「ひ、ゃああぁぁッ…う、あぁん、うぅぅ…ッ…は、はぁああぁ…ッ…!!」 モーター音を響かせてバイブが中で蠢きはじめると同時に、臨也の全身もビクビクと震えはじめた。足を思いっきり投げ出し、快楽による歓喜の声を余すところなく披露した。 その姿をじっと眺めながら口の端を歪ませて笑った。完全に悪趣味であったが、憎い相手の痴態なんてそう何度も見れるわけでもないので純粋に楽しんだ。 男としてのプライドをズタズタにされて女のように喘がされる奴の悔しさを思うと、余計に満足感がこみあげてきて大声で笑いだしたい気分だった。 とても卑劣な行為ではあったが、臨也だからしょうがないんだと自分を納得させていた。 「あ、あぁッ、もぅ、だめ…ッあぁ…イくうぅぅううッ、ん、んはああぁぁ……!!」 まだ入れてから数分も経ってはいなかったが相当我慢していたのか、あっさりと己の精を吐き出し嬉しそうに悦びの涙を流していた。 お腹の上に白い液体が盛大に飛び散り汚していたが、構わずに全身をびくびくと跳ねさせて甘いため息を漏らした。 「は、はぁあ…ッ、すご…イったのに…きもちいぃ、の止まらない…ッ…あぁ…」 出した直後のはずなのにまだ全身を激しく震わせてバイブから快楽を貪っているように見えた。この淫乱が、と汚い言葉を呟きながら自分のズボンに手を掛けた。 「てめぇ一人で楽しんでんじゃねぇよ。ほら舐めろ、ビッチ野郎が」 ズボンと下着を半分ほど引き下ろしたところで臨也の顔の間に跨り、中心にそびえ立つモノを眼前に突き出して奉仕するように促した。 「うわぁ…っ、これ…シズちゃんの?信じらんな、い…ッふ、むぐううぅぅ…!」 さっきまですっかり蕩けさせて半開きだった瞳をおもいっきり見開き珍しいものを見てはしゃぐ子供のように頬を染めて笑っていたが、鬱陶しかったので無理矢理口に自身の先端を突っこんだ。 すっかり先走りの透明な粘液で濡れていたが、中に入れればすぐに唾液と混じりどろどろになったので気にしなかった。 体重をかけて喉奥まで押しこむとくぐもった声をあげて苦しそうに表情を曇らせた。けれど視線はじっと俺の目を見て離すことはなく、強い意志がまだ残っているのを示していた。 「大嫌いな相手のモノを舐めさせられる気分はどうだよぉ?イザヤくん?」 「ううぅッ、ん、んふうぅぐッ…ん、う、うぅうぅ…!」 腰を激しく前後に振り動かして、何度も何度も出し入れを繰り返した。歯や頬の壁にぶち当たるのも構わず、わざと乱暴に揺らした。 そのまま噛み切られる可能性もあったが、そんな隙を与えないぐらいものすごい勢いで責めたてた。 「おいてめぇまた勃ってきてんぞ?もしかして後ろ攻められながら口も犯されるのがイイのか?ドMだな」 本人にしてみればこれは薬のせいだと言いたかっただろうが、反論するための口が塞がれていてはどうしようもできない。じっと俺を睨みつけることしか今はできないのだ。 その臨也の悲惨な様子にすっかり上機嫌になっていた。まだ口でされているだけだというのにこれでは、中に吐き出して何度も何度も暴れたらどんな高揚感があるのだろうと考えると胸が躍るようだった。 「ふ、うぅーッ、ん、んうぅッ…ぐむううぅぅッ…!」 「そろそろ出すぞ、飲んでくれるよなぁ?」 しゃぶられて気持ちがいいというよりは、貶められた奴の姿に興奮しているといったほうが正しかった。そして最奥にぐりぐりと自身を押しつけたまま白い液体を存分に吐き出した。 どのぐらいの量が出るかはわかっていたので、半分ぐらい出すとわざと口から引き抜いて臨也の顔の上に残りをぶちまけた。 「ぷはぁッ、ん、はあぁ、あッ…うああぁ、んうぅ…はぁ、あぁ…ぁ…」 射精感に満足してふとコイツの下のほうに視線を向けると、二度目の絶頂を迎えているところだった。量は俺の半分以下だったがそこが別の生き物のようにビクビクと麻痺しきっていた。 「随分と精液まみれになっちまったなぁ。いつものムカツク顔なんかよりよっぽどいいぞ。写真でも撮っておくか?」 皮肉たっぷりに暴言を吐き捨てたが、いつものように煩い言葉が返ってくることは無かった。静かになった部屋に呼吸する音だけがしていた。 熱を吐き出したことで少し落ち着いてきた頭が、ちょっとやりすぎたかと後悔しかけた時に消え入るような声の呟きが耳に届いた。 「ね…ぇ、楽しい?…シ、ズちゃん……」 「い……」 急に胸がしめつけられるような切ない感情が広がって、慌てて振り向いて名前を呼ぼうとした。 「あ、はははッ…まだ、まだ足りない!ねぇ早くぶちこんで、犯して、なにもかもドロドロにしてよ…ッ!」 狂ったように笑いながらバイブを埋めこんである腰をくねらせて誘ってきた。怒りが爆発するかのように引いていた劣情が戻ってくるのを感じていた。 text top |