「なあ手前の体、見てもいいか?」 「いいよ…でもっ、その…」 改めて尋ねられると少し恥ずかしくてむず痒くなったけれど、体に刻まれた感覚は残っている。始めに薬でめちゃくちゃにされた時からずっと。でも大半はシズちゃんがしたことだ。 あの店で客を集める為に、激しい性欲を発散させる為に仕方なくしていた。だからすべてが悪いことばかりじゃなくて。 「嫌か?」 「そうじゃなくて…ちゃんといつもみたいにしてね。シズちゃんに激しくされるの嫌いじゃなかったから」 「いいのか?」 「他の奴らは俺のエッチな体のことばっかり見てたけど、しっかり俺自身を見てくれていたのはシズちゃんだけだから。知ってたから…」 思い出すのは奴隷のような扱いをしながらも、客が度を超えたら容赦なく叩き出す姿だった。あの時は望まないことをさせていると悔やんでばかりいたけれど、シズちゃんらしくてだから今があるのだ。 俺はもう自分の体のことも諦めて、早く離れることを考えていたけれど守ってくれていた。ずっと傍で。 「きっともうシズちゃんじゃないと俺は乱れたりしない。好きで大事な相手だから、心を許して体も…」 「わかった」 短い返事だったけれど言葉は通じたらしい。これまでみたいに誰彼構わず淫らになるわけではなく、シズちゃんだから抑えがきかなくなるんだと。そんな俺をどうか受け入れて欲しかった。 それが俺の本当のセックスだから。心から求めた行為だから。 「臨也っ」 「シズちゃ、ん…うぅ、ふっ、あ」 互いに深いキスを交わしながら、ズボンと下着を自分でおろしていく。当然そこは勃ちあがっていて、早く欲しいと震えていた。向こうも同じようで、硬い性器を擦りつけてくる。ようやく下を全部脱ぎ終わった時には、全身は火照っていた。 「あ、つい…すごく、久しぶり」 「俺もそうだ。ずっと手前のこと考えて待ってたから」 「待たせてごめんね」 唇を話して互いの息がかかる距離で話をしながら、耐えきれない腕がシズちゃんのに伸びて誘導するように後ろに添えた。もう随分長い間そこで受け入れていなかったけれど、昔に戻ったみたいに震えてすぐにでも入りそうだ。 「ここに、っ、シズちゃんの…欲しい、ねえ早くっ…!」 「ああ、入れるぞ!」 「っ、は、あ、んああぁあ…!うぅ、あ、は、はいっ…た、んぁ、シズちゃ、んの、ぉ、っ」 早速ねだるとあっさりと突き入れられて、視界が涙で見えなくなる。いつもずっと、これを欲していた。どんなに男達に犯されようとも、心の中ではシズちゃんだけを想ってきた。 叶うわけがないけれど、いつかこんな風に普通に抱き合うことを想像したことだってあって。昨日までは無理だと諦めていたけれど、簡単に手に入った。 学生の頃からもう何年も過ぎていたけれど、本当の意味でようやく気持ちが伝わったのだ。 「臨也のここ、変わってねえ。すげえ気持ちいい」 「んぁ、あ、もう、はずかし、こと…いうな、っ…ばかぁ」 「なんか懐かしいな、そうやって怒った顔してんの」 「そういうこといわない、でよっ、は…っ、きらい…」 もう俺がシズちゃんに気を遣う必要もなかったし、本心で言っているわけじゃないと知っているからこそ嫌いだと告げた。始めはそうやっていがみ合っていたのに、あの事件からまるっきり変わってしまったので懐かしさを覚える。 互いに大人になったので本気で喧嘩することはないだろうけど、対等な関係で接することができることを喜んだ。もう素直になんでも聞いてやる必要だってない。 「なあ、なんで自分で嫌いって言ってここ締めつけてんだ?」 「ちが、うよ…っ、うぅ、ほんとのこと、いっただけ、んぅ、あ」 「そうだよな、手前が大人しくしてんのがおかしかったんだよな。いいぜ、好きだっていっぱい言わせてやるからよ」 「はっ、あ、は…かんたんに、いわない、からっ!」 肩で必死に息をしながら最奥まで熱い塊を受け入れる。擦れる度に感極まるように腰が跳ね達してしまいそうになっていて、堪えるのが辛いぐらいだった。 久しぶりだからじゃなくて、シズちゃんとできることに感動して悦んでいるのだ。心も体も。今までは絶対に満たされなかったけれど、ようやく全部望んだことが与えらる状況で。 「弱いとこ知り尽くしてんのに、どこまで頑張れるかやってみるか?」 「うあっ、あ、ぅ!そこ、やだ、そこつかないで、っ、あ、はげし…っ、んぅ!!」 ベッドのシーツに手を突くと、本格的に腰を揺らしながら感じやすいポイントに刺激を加えた。忘れかけていた快感が全身を一瞬で駆け抜けて、なにもかもを思い出す。 数秒前の決意なんか忘れて、勝手に唇がしゃべっていた。あられもない本音を。 「ひっ、うぅ、あ、ああ、きもち、い…やぁ、しずひゃ、んの、すごい、んっ、あ、はぁ…!」 「なんだよ、これじゃあ面白くねえだろうが。だらしねえな、手前の尻」 「う、ひゃあっ!?あ、やだ、あ、んぁ、みみ…な、めない、れ、っ、んぅ、は、ふぁ」 至近距離に顔が近づいてきたのでキスをされるのかと思ったら、いきなり耳朶をべろりと舐められそのまま首筋をなぞっていく。当然腰の動きは止めることは無くて、煽られて今すぐにでも吐き出したくなる。 全部委ねていた方が楽なんだとはじめて知って、素面ですることの恥ずかしさに胸が切なくなった。瞳からは次々と雫がこぼれ落ちる。 「すげえ我慢してる顔もいいな。泣きじゃくってるの、かわいいぜ」 「あ、うぅ、っく…なかせて、るの、っ、だれだよ…んぁ、あ、は!」 「しょうがねえだろ、ずっと俺のもんにしたかったんだからなあ、臨也」 「…っ!」 舌で首を舐めていたけれど、いきなり歯を立てた後におもいっきり吸いつかれる。ちゅうちゅうと音が聞こえて離された時には鬱血した痕が残っていた。真っ先にこんなものをつけるなんて、相当の独占欲だとぞっとする。 もしかして目覚めさせてはいけない獣に捕まったのではないのかと今更驚いた。ずっと俺に向けていたのは剥き出しの嫉妬心で、憎しみではなかったのだから。 「んあ、あ、もう、っ…むり、っ、ごめ…でちゃい、そ…んんぅ、は」 「何回も中出ししてやるから謝らなくていいぜ。これからは毎日ずっとできるし、時間はたっぷりあるからな」 「ふあっ、あ、ああぁ…やぁ、あ、ほんと、に、でるからぁ、あ、イっちゃ、う、んぅ、あ、はっ、あ、んあああぅうううんん!!」 頭を激しく振り乱しながら叫ぶと、先端から精液が飛び散って密着していた二人の腹を汚した。けれど出し終わる前に中にもおもいっきりシズちゃんのが吐き出されて、心地よさに眩暈がするぐらいだ。 「だ、されてる…うぅ、あ、しずちゃ、んの、ぉ」 「ビクビクしてんのわかんだろ?締めつけてんのがやばいぐらいに気持ちいいからな」 口元を歪めながら笑っていたけれど、なぜか右手は優しく包み込むように俺の指に絡められて目頭が熱くなった。言葉は乱暴だけれど、心の底から気遣ってくれているのが伝わったのだ。 シズちゃんと別れてから数年間は忘れようとしていたのに、今はどうしてそんなことを考えたのかわからないぐらいいっぱいだった。シズちゃんしか見えなかった。 「は…っ、はぁ、あ、いっぱいでた、ね」 「そうだな、中どろどろだろうな。でももっと入るだろ?」 「あんまり、調子に乗らないでよ…っ」 「嘘つけ欲しいのは手前の方じゃねえのか?全然離してくれねえぞ」 ようやく安堵しながら少し熱が引いたので、焦点の合わない瞳で睨みつける。いきなり無理をさせる気かという牽制だったのだが、通じるわけがない。ギラつく視線が射抜くように見つめていたから。 絶対に抜かずに二度目もする気だとわかっていたけれど、あっさり認める気はなかった。全部は獣に食わせてやるない。 「嫌だ、っ、ちょっと抜いて…あ、んぁああっ!!」 「じゃあ次はバックからするか。結構好きだったよな?」 「好き、じゃないって…!」 「好きだろ」 急に繋がったまま体勢を変えられて、一番深い場所が激しく疼く。今度はベッドの上でうつぶせにされ、腰を掴まれた状態でバックから貫かれようとしていた。 必死に好きじゃないから、と言うのを全部見透かすように耳元で囁かれて。 「俺のこと、好きなんだろ?臨也」 「うわっ、っ、それ卑怯、だから…っ、あ、ま、待って…!!」 シズちゃんなんて嫌いだから、と叫ぶ前に律動が再び始まって甲高い声があがる。悔しかったけれどようやく手に入れたぬくもりに、握り返すように未だ繋いだままの指に力をこめて背中を仰け反らせた。 ------------------------------------------------------------------------- ぷぅ様 静臨でアダルトグッズの実演販売。 客と言う名のモブ視姦のもと、静雄に様々な玩具を使われる臨也。 実演販売なので玩具を使うごとに臨也に感想を聞く。本番・モブ臨はお任せ。 リクエスト頂きありがとうございました! text top |