「んふあっ、あ…でか、ちんぽのこと…?ねえ、っ…あ、それ、いれてよぉ、んぁ、ああっ…!」 いきなり真正面に立っていた男に尋ねられて、靄が掛かったように重くなった頭で必死に思い出そうとするけどわからなかった。だから代わりに入れてくれ、とねだる。 もうそうやってねだることに抵抗感もなかったし当たり前の事だと思うようになっていた。目の前にそれが差し出されれば奉仕するのが常識だと、信じて疑わない。 「はははっ、予想以上じゃねえか。面影なんて全く残ってねえド淫乱になったな、嬉しいだろ?」 「あ、ひぁっ…うぅそれ、いれてくれたら、もっとうれひぃれす…っ、おねがい、ほうし、させれ、ください…っ、あ」 ビクビクと脈打つ肉棒を両手で握っているのに、一番欲しい場所にはまだ入れて貰えなくて堪えきれずにはしたなくねだる。相手が誰か、なんて関係なくなんでもよかった。 お願いすれば絶対に叶えてくれるのはわかっていたから、プライドなんてものはなかった。ただ欲望に忠実な、人形のようで常に頬を濡らしていた。 それは悲しみではなく、喜びの涙なのだと勝手に思い込んでいた。 「じゃあ入れてやるよ、ほらよ…ッ!」 「あ、ふっ!?う″あ、あああっ…!これ、いひぃいぃい…あ、あ、しびれ、ひゃうっ、あ、らめぇ、っ、うあんぅ…!」 「一晩中犯されてんのに、締りがいいな。こりゃ相当高く売れるぜ、よかったなあ」 何かを囁かれていたが、それがどういう意味かは理解ができなかった。望んでいたものを与えられて、勝手に腰がビクビクと跳ねて、喜びからか手の動きも早まっていく。 全身精液濡れになっていたが、今ではそれもどうでもいいし、逆に安心した。褒められる度に心が高鳴り、その期待に応えようと必死に奉仕する。 誰かの役に立つ仕事、という言葉がふと頭をよぎって、それが何だったか忘れたけれど大事なことだと思った。何人もの男達の役に立つ立派な仕事をしているのだと誇らしい気持ちで満たされる。 「おい恥ずかしがってねえでもっと本性現せよ。ド淫乱が!」 「んはぁっ、あ、え、えあっ…は、いっ、うぅ…おれ、はいんらん、なんれすぅ、おちんぽだいすきな、マゾ…なんで、すっ、あ、んあぁ」 右側に立っていた男にそう促されたので、自ら体をくねらせて気持ちいいところを擦りつけながら告げた。そうして口にすることで、背徳感が駆け抜けてまた疼きが強まる。 そうしてどんどん興奮して、チラチラと肉棒が目に入る度に気持ちが高まっていく。たくさん受け入れたのに、まだ足りなくてもっと欲しいと渇きを覚えていた。 何度出されても完全に満足するのは一瞬で、既に腹は膨れあがり白濁液を床にまき散らしていたのに、際限なく欲していた。いっぱい出して、潤わせて欲しいと。 役に立つ仕事を利用して、俺も気持ちよくなれるなんて最高でこれが天職なんだと思い込んでいた。 「しょうがねえ奴だな、でもここは最高だぜ、なあ?」 「い、い″ぁ、あ、あああ…!ひぃん、っ、あ、すご、いっ…それ、きもぢ、いいっ、うぅ、あはぁ…!」 向こうも本格的に律動を繰り返してきて、ごりごりと中を擦られる度に脳天を突き抜けるような快感に打ちひしがれる。そうして手の中のペニスをぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てて動かす。 するとそれがおもしろいように震えて、跳ねて、それがおもしろくて繰り返す。先端から迸る熱いものを早くぶっかけて欲しいと、もう一つの欲望もむくむくと沸いてくる。 偉そうにしている男が俺の一番感じる部分を滅茶苦茶に抉り始めた時には、もう口走っていることの意味を理解してはいなかった。 「は、ひあっ、あ、んぅ…しょこ、そこ、ひぃいん…いいよぉ、おふっ、あ、しゅご、しゅごいのぉっ、あ、すき、しゅきっ…!」 息も絶え絶えの状態で喘ぎながら、男を果てさせる為に巧みに蠢かせていく。背中を仰け反らせて、角度を微妙に変えながら貫く肉棒に自ら食いつく。 すると相手が呻き声をあげて、それからニヤニヤと笑みを浮かべながらこっちを眺めてきた。喜んでいるのだとわかると、最後のスパートをかけるように手も腰も揺する。 「あひっ、あ、そこぉ、もっと、あ、おちんぽれぇ…ぎゅぽぎゅぽしれぇ、あ、でかちんぽぉ、ひもちいいんっ…!」 「待たせたな、じゃあたっぷり精液ぶっかけてやるよ。大好きな精液で犯されながら、イけよ!」 両手に持たされた性器をしごき、頭を振り乱しながら唇を震わせているとすべてのペニスがドクドクと脈動するような振動が伝わってきた。それが合図になって、次の瞬間視界が真っ白になる。 体の中と、顔へ大量の白濁液を浴びていると奥底から愉悦の波が押し寄せてきて、あっという間に自身も達した。 「いひっぃい!あ、ざーめん、おいひっ、いぃんぁあっ…あ、あ"ぁあ、いきゅっ、いく、いっひゃうぅんぅう、はあぁ、あああ……!!」 ガクガクと腰を揺らして男のを受け止めながら、恍惚とした表情で絶頂の余韻に浸る。あれから一度も根元に嵌められたコックリングは外されていないが、もうそれでよかった。 射精した後の落ち込んだ気持ちを味わうことなく、じわじわと快楽が続いて常に発情状態になっているのがよかったからだ。 「あんっ、あ…ぶっかけられへ、イっひゃったぁ、あん、あ、でも、まらたりないよぉ…もっろ、ぶっかけれくらしゃいっ、んぅ…」 まだ注がれ続ける男の精液の生あたたかい感触ですらイけるぐらいに、全身は敏感になっていた。それがクスリのせいなのか、調教されたからなのかはもうわからない。 受けた絶頂も終わらないうちに、また体に火がついて次を求める。そうして一生休むことなくこの行為が行われるのだと、信じきっていた。 「なかなか具合もよかったが、もう何十時間ぶっ通しで犯されてるんだ?さすがにそろそろ止めねえと、いきなりぶっ壊すわけにはいかねえんだよ」 「え…?」 そう言うと相手はそこから肉棒を引き抜いて、パックリと開いた穴からは中身が噴水のように勢いよく噴き出した。そうしてびちゃびちゃと床を汚す。 その刺激さえも心地が良くて、熱の籠ったため息を漏らした。でも止める、という言葉が頭の中に響いてショックを受け続けていた。 「はあっ、あ、あはっ、ふぁ…ふぇっ、んぅう、ふ…ぁ…」 さっきまで周りを取り囲んでいた何人かの男達も居なくなっていて、寂しさを感じた。これで終わりなんて嫌だと訴えようとした時に、別の相手が近づいてくる。なぜだか嫌な予感がした。 もっともっとして欲しいのに、止めないで欲しいと心の底から願ったから、口にしていた。 「あ、やだぁ…やめないれ、くらさいっ…おちんぽ、だいしゅきな、いんらんなんれすぅ、あ、おちんぽないと、だめだからぁ、ねえ…っ!」 「あんなに嫌がってたのにちんぽがねえと生きていけねえって?まあそう焦るなよ、またしてやるから今日のところは、な」 「やあっ!おちんぽ、ハメれよぉ…!いっぱい、なんぼんでも、つっこんで、おかひれ、きもひよく、っ…あ、あひゃあっ…!!」 その時男が俺の首筋に注射の針を強引に押し込んで、その感触に疎外感を覚えた。でも先に刺されたことによる淫悦が全身を駆け抜けて、ビクンと背を仰け反らせた。 そしてそのまま全身から力が抜けて、急速に眠気も襲ってきたのでそれに身を委ねた。まだこんなのでは足りない、という気持ちは闇に溶けた。 完全に意識を取り戻した時には、一応は汚れていた体は拭かれていて代わりの服も着させてくれた。相手とは少しだけ話をして、次はまた連絡するとだけ伝えられる。 俯いたまま顔も見ずに別れ、そのまま外に出ると全速力で駆けて一番近いラブホテルに急いで入った。液晶パネルで部屋を選び、指定された階まで狭いエレベーターであがると勢いよく扉を閉める。 すぐさま脱衣所に向かい着ていた服を全部脱ぎ捨てて、浴室内に入りシャワーを捻った。すぐにはお湯が出ずに冷たいままだったが、その場に膝をついて座りすぐさま下半身に手を伸ばす。 そこにはまだ銀色の飾りが嵌められていて、射精を強制的に止めていた。だから頭の中はそれを解放することに精一杯で、他の事は気にならなくなっていた。 「くっ…うあっ…あ、あぁ、あ、あーーッ!!」 戒められていたそれを力を込めて抜くと、カランと金属音が床に響いて次の瞬間凄まじい快感が弾けた。しかし思ったような射精はなく、とろとろと先端から濁った粘液が垂れたぐらいで。 涙目のままぼんやりとそれを眺めながら、普通にイくことができなくなったことを知った。クスリは抜いた、と言ってはいたがすぐにおさまるものではないことぐらい知っている。 それにまだ、後孔にはたっぷりと吐き出された精液が残っていて気持ちが悪かった。残されたのはきっと、わざとだった。 「はぁ…あ、うぅ、まだあつい…っ、うはぁ、ん…」 虚ろな瞳のまま躊躇うことなく後ろに指を伸ばして、そこに一気に二本指を突き入れた。ぐぷっ、と卑猥な音を立てて一気に根元まで指が飲みこまれていく。 物足りなさはあったが、とりあえずは欲しくてしょうがなかった刺激が伝わってきて口元が緩んだ。あのまま本当に全部終わっていればよかったのに、悪夢のような出来事はまだ続いている。 「んあっ、あ…はぁ、あんっ、う…き、もち、ぃ…っ、んぅ」 クスリに惑わされることなく正気を取り戻してはいたけれど、全身を蝕む欲望には耐えられなかった。おまけにそこを弄れば、どんどんと体に染みついた心地よさが全身を駆け抜けて行きが荒くなる。 うわ言のように何度もきもちいいとだけ繰り返しながら、自分で覚えた弱い部分を指の腹で抉って快楽を得る。次第に目元に涙が滲み、額を床に押しつけながら尻を掲げて腰をくねらした。 「あひぁ、っ、あ、でるっ…イっひゃう、あ、んぁ、ふぁ、あ、んああぁあああうぅううんん…!!」 するとすぐに体の奥底で渦巻いていた欲望が解放され、ガクガクと全身を麻痺させながら喘いだ。当然のことながら精液は自身から出ることなく、普通ではない淫猥な気持ちよさを体験した。 誰かにされたわけでなく、自分で望んでそれをしたことに嫌悪を顕にしてもいいはずなのに、それはなかった。ふわふわとしていて、蕩けるような愉悦に口の端から唾液が垂れる。 「…っ、シズちゃ、ん…」 頭の中は金髪の男に組み伏せられる映像が勝手に浮かんでいて、さっきまでの苦しい出来事を頭の中で変えた。そうやって吐き出さなければ、いつまで経っても自宅に帰れないのだ。 一刻も早く戻って会う為に、体に残っているものを全部強制的に出すことに決めたのだ。その為の手段も、選ばなかった。それが最低すぎる行為だとしても。 「いっぱい…だ、してぇ…お、かして…」 艶っぽい声でねだりながら、目の端からはポロポロと涙が滴り続けた。それが嬉しさからのものではないことぐらい、わかりきっていた。 text top |