it's slave of sadness 4 | ナノ

その言葉を合図に男達の動きが明らかに変わっていった。胸元をはだけさせて乳首をさわってくる者や、俺の下半身をさわってくる者、尻を掴んで嘗め回してくる者。
そして両手にはペニスを強制的に握らされて、眼前にも突き出されていた。

「いいかい、こうやって手でしごくんだよ。最初はゆっくりゆっくりして、先走りの液も伸ばしていくんだ」

握っている手の上から重ねるように手を置かれて、そのままゆっくりと動かされていく。理屈はわかっていたが、まずはされるがままになって感触を確かめていった。
ガチガチに硬くなったモノの先端から溢れた透明な粘液を手のひらにべったりと塗り、全体的に広げていくとすこしだけくちゅくちゅと水音がし始めた。

「お口も開いてるからからアイスを舐めるみたいにペロペロしてご覧。あぁさっきみたいに色っぽい声は出すんだよ」

フェラチオをしろということなのだろうと思い、おずおずと舌を出して最初はツンツンと突いてみた。ドキドキしながらそっと這わせていくと、これまで味わったことのない味が広がっていった。
頭ではわかっていてもすぐにはしゃぶりつくことができなくて、まずはゆっくりと舐めていった。

「ふ…っ、あ……んぅ…?」

本当だったらこっちが奉仕をして実践をしないといけない方なので、他のさわられている部分は考えないようにしていた。それなのに感度が強い体はビクビクと反応していく。
胸元に添えられた手はいくつもの手が変わるがわる先端を引っ張ったり、掴んだりする。
下半身は乱暴に扱われて痛いようなむず痒さの為にどんどん硬さを保っていく。玉の部分も揉み解されて勝手に腰が反応する。
後ろは穴の周辺を広げられて、執拗に舐められ続けて唾液で濡れていた。しかしやがてそこに異物感が生じてきた。

「え?あっ…うあっ、それ、は……っ、あ!」

大きさや形から指が入れられたことは後ろを見なくてもわかった。痛くて怖いだろうと勘違いしていたのだが、入れられた瞬間からぬるりとした気持ちよさに包まれて戸惑った。
驚いたのは指を差し入れた男も同じように驚いているようだった。興奮気味に汚い言葉を投げつけてくる。

「なんだ?女みてえに中がぐちょぐちょに濡れてるぞ?乳首も勃ってるし、はじめてとは思えねえ淫乱っぷりだな。もしかして変態アンドロイドなのか?」
「ち、が……っ、う…はい、変態アンドロイド…です」

臨也くんにプログラムをインストールされてから、感情というものがこれまで以上に感じられて、傷つくということを知った。これまでだったら傷ついて辛い、なんてことは感じなかったのに。
人間には逆らえないから変態だと認めるしかなかったけれど、心の中では必死に違うと念じていた。しかし真実を告げられる相手は、同じアンドロイドの津軽しか居ない。

(津軽会いたい…今すぐ会いたい…そしていつもみたいに頭撫でて、欲しいよ…津軽…)

表情を変えることすら許されなくて、張り裂けそうな気持ちを胸の中だけに押し込めながら艶っぽい声をあげた。

「こいつ本当に逆らえねえんだな?おもしれえ。入れる前からこんなにだらしなく涎垂らして、物欲しそうにしてやがったんだよなあ」
「ん、あぁ…だめ、それぐりぐり、や…っ、あぁ…!」

まだほんの一本を受け入れているだけだというのに、そこは確実に反応してぐちゃぐちゃと水音を響きかせていた。ここまで感度があがっているなんて、予想外だった。
これからもっと大きなもので貫かれなければいけないというのに、どうしようと思いながら、切ない疼きは激しくなっていく。

「お、もしかしてもうイきそうになってねえか?早えじゃねえか、しっかしアンドロイドだろ?何十回でもイけるんだろうな。ほら、早く出しちまえ」
「う、あぁ…っ、こすら、ないで…や、あぁ、おかしくっ…なるうぅ、んっあ!」

急速にペニスを弄くられている動きも、中をかき回される動きも早まって、あっという間に全身が感じてきて快感が爆発寸前になっていた。
まだ一度も達するという経験すらないのに、こんなに早く迎えることになって焦ってしまった。ダメだと思いながら、弄られている胸の刺激にさえ打ち震えていた。

「あ、あぁ、っ…も、やあぁっ、くるっ、なんかきちゃうっ、んんうぅううう……!?」

突然体中の力がぴんと張り、視界が歪んでぞくぞくとしてものが背筋を突き上げていった。そうしてあっという間にペニスの先から、熱い迸りが飛び散って床を汚した。
はじめての射精感に酔いながら、ぼたぼたと白濁液を零し続けた。どうやら出る量は一定に調節されているようで、知識の中にある量よりは多いようだった。
出している間にも見られているし、胸や後ろの責めは続けられていて、すべてを吐き終えても、また次の刺激が襲ってきていた。

「はあ、あ…っ、おれ、やぁ、これ…ッ!」
「なあせっかくかわいい顔と性格してんだから”俺”じゃなくて自分のこと”サイケ”って言ってみろよ。その方が似合ってるぜ」
「ふ、あぁ……?あ、サイ、ケ?サイケ、はサイケ…っ、んぅ」

急にかわいい、と褒められたのが嬉しく感じた。そして自分の呼び方なんて今まで考えたこともなかったけれど、似合うというならそうしようと思った。
さっきまで酷い言葉で罵られていたせいか、少し優しく言われただけで胸が熱くなるようだった。

「そうそう、サイケは気持ちいいことが好きなんだろ?今から皆で精液ぶっかけてやるからな。嬉しいだろ?嬉しくてまたイッちゃうよなあ?」
「え……あ、あぁ、はい。サイケはきもちいいこと…すき…せいえき…うれしくて、イッちゃう…」

諭されるように告げられた内容は、すんなりと心の中に響いていった。聞きながら、津軽の声になんとなく似ている、なんて勝手に思っていた。
一度命令されたことは、解除されない限り有効だ。この瞬間に、自ら快楽の波に溺れることを宣言していたなんて、わからなかった。わかっても、どうにもできなかった。

「よし、じゃあとりあえず今から全員でこの子にぶっかけてやろうぜ。本当にイッちまうのか楽しみだ」

一人が呼びかけると、それに呼応するような返事がいくつかあがって、さわられていた手が離れていった。
息を少しだけ整えながら、忘れていた手の動きと舌の動きを再開させた。さっきまでよりは早く舌を往復させていくと、すぐにぬるぬるとぬめ光った。

「んあ、は…あ、んぅ…っ」

すると先っぽからだらだらと透明な先走りが後から後から噴いてきて、余計に濡れていった。微妙に震えていると思ったら、その男がいきなり俺の顎を掴んで口の中に強引にねじ込んできた。
かなりの大きさのモノが喉奥まで入れられて、パニックに陥った。

「ふ、むぅぅっ…!ん、うぅ、っ……うぅ、ん?」

口内で暴れ始めたものばかりに気を取られていたが、周りが異様な雰囲気を醸しだしていることにハッとした。
皆一様に股間のペニスを自身で弄くっていて、それがなにを意味しているのかはもうわかりきっていた。先端から白濁液が出るというのは、さっき経験したばかりなのだ。

「む、うぅ、ん…っ、う、ん…ん、ん、うぅ…ッ」

苦しさで歪んだ視界には、いくつもの性器が映っていた。そうしてもうすべてが限界に近づいていることも知っていて、今口の中で動きを早めているのですら暴発寸前だった。
全身には手は一切ふれられていないというのに、どうしてかさっき出し切った自身は反応して微妙に震えていた。
このまま全身に出されたら、嬉しくてイッてしまう、と思いかけたところで真っ先に目の前のが弾けた。

「う、むぅっ、ぷあぁ、は、あ、あぁ…ッ!?」

舌の上に出しかけたところを引き抜かれて、顔の上で白濁液が派手に飛び散った。あまりの驚きに一瞬ぽかんとしていると、今度は手に熱い粘液が飛び散った。
そしてそれを皮切りにどんどん周りから呻き声と共に、熱い粘りのある液体が俺の体に向かってかけられていった。

「え、あぁっ、これ…せ、いえきッ、あ、んうぅっ、だめ、またイっちゃうぅ……あ、は、ああぁんうぅうっ…!」

雷に打たれたかのように背中を思いっきり仰け反らして、腰から下をがくがくと揺らすと自分のモノからまた溢れていた。顔や手、胸に腰に尻や足と全身にぶちまけられているものと同じ精液だった。
しかし出るモノや量はさっきと同じでも、感度は格段に増していた。とにかく気持ちよくて、嬉しいという満足感に満たされていた。

「んあ、はぁっ…あ、うれしっ、これきもち、いぃ…サイケ、これ好き…っ…」

目を細めて感極まったような甘い声を漏らしながら、最高の笑顔を浮かべた。もう当初の目的がなにであったかすら、すっかり忘れていた。

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