結合部からぐちゃぐちゃと卑猥な音がし、パンパンという肌がぶつかる音と交互に響かせていた。 「は、ひぅぅ…ッ、すごいぃッ、あ、ああぁ…」 さっきからもう弱音しか口にしていなかったがその癖にまだ臨也が絶頂を迎えていないのに、純粋にすごい奴だと思った。 こんなに乱れながらもそこだけは頑なに譲らないらしい。そのぐらいの根性があるほうが燃えるのは確かだった。 「次はバックからって決めてんだ、そろそろてめぇもイッたらどうだ?」 「は…ぁッ、童貞なんかに絶対負けたくないんでね…」 ぴたりとすべての動きを止めて尋ねると、瞳からぼろぼろと涙を流し激しく呼吸を繰り返しながらも唇の端を歪めて笑いやがった。 思ったとおりの反応に、満足した。 コイツは相当強いらしい。俺と互角に渡り合える相手など同年代にまずいなかったが、世の中はかなり広いようだ。 しかもただ喧嘩が強いわけではなく、精神的にも強いのだ。奴にとってこんな最悪な状況になってもまだ反論してくるのがなによりの証拠だ。 いきなりセックスをしようとふっかけてくる最低な奴だったが、ライバルとしてなら認めてもいいと思った。 「助けてって言ったのは、どこの誰だ?」 「う、ん、んうぅッ…!クソッ、童貞だった癖に…ッ、なんでそんな動き…できるんだよッ、うぅ…!」 再び動きを再開したがわざと緩やかにして、臨也の意識が完全に飛ばない程度に責めた。悪態をつきながらも快楽に耐えきれなくて、淫らに尻をくねらす様が最高によかった。 そしてもう少しだけ力を入れてやれば、また壊れたようにあえぎ鳴くのだ。きっとコイツも俺のことを自分の手の内で弄ぶつもりだったのだろうが、結果は真逆になった。 俺は誰かを弄んで悦ぶ趣味など無かったが、臨也に限ってだけは完全に面白がってやっていると言えるだろう。 実際楽しくてしょうがないのだ。 なにがそうさせているかはわからないが、たった数時間前に出会ったばかりの相手にもう抜け出せないぐらいどっぷりと溺れていた。 「あぁてめぇさっきからここを突くとぎゅうぎゅう締めつけてきやがってたからな、イイんだろここが?」 「はぁッ、あ、あぁ、んうぅ…や、めてよ…この俺を焦ら、すなんて…生意気…ッ…あぁあ…!」 とある部分に集中的に動きを加えると、顔を思いっきりしかめながら鋭い視線で睨んできやがった。だが瞳の奥は潤み焦点があっていないようにも見える。 今臨也がどんな気分なのだろうかと考えただけで、下半身がムクムクと膨らんでいった。 これまで培ってきた知識や経験が全く通用しない相手に体が陥落しかけていることを、苦々しく思っているだろう。 相当エラそうな態度だったし、こんなことになるとは考えもしなかっただろう。しかも自分の得意とする分野で押されてるのだ。童貞相手に。 「じゃあもう遠慮はいらねぇな。さすがにそろそろ俺も堪えられなくなってきたし」 「好きにし、ろッ…ふうぅ、ん、うぅう…ひあ、やあぁあぁ…あぁあ…ッ!」 言葉が終わらないうちに両足に力を入れて入り口付近まで引き抜きかけて、それを一気に最奥まで擦りつけてぐりぐりとかき回した。 たったそれだけのことなのに、臨也は艶かしい声をすぐにあげ別人のように柔らかく口元を綻ばせながら蕩けた。 すっかり膨張したペニスで乱暴に押しあげる度に、背筋をぞくぞくと震えが駆けあがっていった。 「んぅあ、ぁ…うぅうん、ッ…はぁ、あ、いぃ…きもちぃ…んうぅぅッ…」 容赦なく抉られてすっかり頭が飛んだのか、自ら快感を認め強請るように甘えた音色で囁きかけてきた。 同時に中が思いっきりきつく締めつけられて危うくそのまま果ててしまうところだった。 口元を歪めながらそれに耐えたが、限界がすぐそこまで近づいてきているのがわかった。 もうすっかり余裕などなくなっていたので、そのままの勢いで下から何度も突き上げて射精感を高めていった。 すると同調するかのように内側も一層強く窄まり律動も最高潮まで達した。 「ふぅん、うぅ、はあぁ…も、うぅイッ、くううぅぅ…ひゃああぁぁあああッ……!!」 自分の欲が吐き出された瞬間、臨也もなりふり構わず痴態を晒しながら腰を跳ねさせて精を放った。 勢いよく射精しながら恍惚とした表情を浮かべ、ぼんやりとした瞳から涙をぼたぼたと零し続けながら快楽に酔っていた。 「あぁ…ッ、いっぱい…で、てる…ッ…」 その姿をしっかりと目に焼きつけながら、熱い迸りをすべて出しきって軽く息をついた。全身がいつの間にかびっしょりと汗で濡れていて気持ち悪かった。 数秒前までの熱が一気に引いていき、冷静さを取り戻しながらどうしたらいいものかと考えていた。 すると、突然頭の上から声が降ってきた。 「あ、ははははッ…!す、ごいよ…俺の思った以上だったよシズちゃん。はじめて男相手にした時でもここまで酷くはなかったよ?むしろなにもかも思い通りでつまらないぐらいだったんだ。今まで相手にしてきた奴らもみんなそうさ。なのに君は…随分とやってくれたよね!」 まだ息も整っていないはずなのに、興奮を抑えられないのかうっとりとした表情で次々と言葉を吐いていた。 「あぁ?よくわかんねーが、もう一回犯らせてくれるって話だろ?」 消えかけていた熱が胸の奥からじわじわと蘇ってきて、低く低く唸るような声を出していた。 text top |