「え?なに、ちょっと待ってこの状況なんなの?俺になにしてんの?っていうか服まで脱がして、シズちゃんのへんたーい」 内心はかなり焦っていたのだがそれを全く出さないまま、わざとらしくいつもの口調でまくしたてた。 確かついさっきまでベッドの上で二人で抱きあっていて、行為が終わって先に俺がシャワーを浴びてそのまま入れ替わりにシズちゃんが中に入って…。 だるい体を休めるつもりでソファーに転がって、ほどよい心地よさかさからうとうとしたところまでは覚えているがそこから先の記憶が完全に欠落していた。 息苦しさに気がついて目を覚ますと、きっちりと着こんでいた衣服は途中までで脱がされ両手首を紐のようなもので後ろ手に縛られて抵抗できないようにされていた。 そして無理矢理に開かされた足の中心にシズちゃんの顔があった。 サングラスは外していたので表情は見えそうだったのだが、体勢が悪いのかどんな表情をしているのか伺い知ることはできなかった。 「うるせぇ、黙ってろ。無駄口叩いてる暇があったら、さっきみたいに色っぽい声の一つでもあげてみろよ」 「そんなの嫌に決まってるじゃないか……っ」 さっきというのがベッドでの出来事を指しているのはわかっていた。自分ではそんな声をあげたつもりなど全くなかったが、実際には口から出てしまっていたのだろう。 本能のままに貫かれて理性がなくなっている時のことを言及されて認めるほど俺はバカではない。 「っていうかなに?これはなんのプレイなの?拘束プレイが好みだなんて知らなかったなあ、淡白なように見えて実はマニアックなのがいいとは…ねえ?しかも人の寝こみを勝手に襲うなんて酷すぎるよ。俺が起きなかったらどうするつもりだったの?完全なる変態行為だよこれ」 一気にまくし立てながらどうやって拘束から逃れようか必死に考えていた。 いつもだったら縛られても簡単に戒めを解くことはできてなんの問題もないのだが、シズちゃんの縛り方は尋常ではなくて少しの隙間も許さないぐらいキツくぎっちりと縛られていた。 このままだと完全にマズイ。 「うるさいって言ってるだろ」 「……ッ……!」 怒鳴りあげる声と同時に下半身が刺激されて、腰から下をビクッと震わせながら必死に声をかみ殺した。 どうやら寝ている間にいろいろされたようで、そこはしっかりと硬く勃っていて粘り気のある汁液が塗りつけられていた。どうやらずっとシズちゃんにフェラをされていたらしい。 恥ずかしさと悔しさで頭の中が爆発しそうだった。そもそもさっきしたばかりなのに、どうしてこんなことをしているのか意味がわからない。 元々よくわからない奴だとは思っていたけれど、それを心から感じた。 「まぁいい。とりあえず入れて黙らせるか」 こうなることは始めから予測できていたが、それにしても突然だった。いくら一度体に受け入れたとはいえ、慣らしもしないで入るほど回数を重ねていなかった。 「待って、待って、待って!!いくらなんでもいきなりはダメだよ!…俺、痔になるなんて嫌だからな!」 大声をあげて喚いて、必死に訴えた。 女の子じゃあるまいしそこが濡れるなんてことは絶対にない。物理的に考えて滑りもなしに突っこんだら切れて血が出てしまうに決まっている。 「いいじゃねぇか切れちまっても。それはそれで楽しいものが見られるわけだし」 「シズちゃんって傷に傷を擦りこむのが趣味なの?今時の小学生でもそんないじわるしないよ?」 そんなの冗談じゃなかった。この俺がシズちゃんに付きまとわれてかわかわれているのを想像しかけて、ぞっとした。 相手はあの平和島静雄だ、かわいいいたずらなんかで済むわけがない。 「しゃーねぇな、ほらイザヤくんが舐めてくれんだろ?」 「…わ、かったよ」 急に眼前に狂暴な物体を突き出されて戸惑ったが、拒否はしなかった。こんな簡単に応じてしまうなんて屈辱的だったが、自分の身がかかっていては仕方がなかった。 渋々口を開けるとそこに乱暴な動作でシズちゃんのものが突き入れられてきた。いつの間にこんなになっていたのかわからなかったが、結構な硬さと大きさだった。 「う、んうぅ……ッ!」 遠慮なしに喉奥まで一気に侵入されて、苦しげな吐息が鼻から漏れた。けれどそんなのはお構いなしで少しだけ体重をかけながらぐいぐいとさらに奥に押しこもうとしてきた。 もししゃべることができたら”そんなに大きいの、奥まで入らないよう”と嫌味に言ってやるところだが、生憎隙間もないくらいに口内いっぱいに入れられていた。 舌で噛み切ってやろうかとチラリと頭の隅に浮かんだところで、シズちゃんの体が前後に動き出した。 「ん、むぅ…ぐ…ッ…!」 衝撃は凄まじいものだった。両手が拘束されているので手で支えるわけもいかないということは、俺がコントロールして動きをセーブすることができないということだった。 (くそっ、規格外の勢いでされたらぶっ壊れるってのに。しかも一度目のセックスの時よりなんか興奮してるみたいだなあ。やっぱ変態だ) 心の中で毒づいてはみたものの、一方的に責められている立場ではなんの意味も無かった。 時々動くのに失敗して頬の裏側に思いっきりぶつけられたりもしたが、なんとか耐えるしかなかった。 自然と目の端に涙が浮かんできているのがわかった。突かれる度に頭が振り回されてくらくらしているし、まともに息なんかできないから呼吸は完全に乱れきっていた。 「っと、危ねぇ出しちまうところだった」 「ぷはっ…ッ、はぁ…は…」 視界がぼんやりとしかけたところで、シズちゃんのものが口の外に出されてぼんやりとただそれを見つめながら肩で息をしていた。なにも考えてはいなかった。 「いい顔になってるじゃねえか。てめぇは黙ってれば可愛い面してんだから、いつもそうしてればいいのにな」 褒められてるのか貶されているのかわからないよ、と思いながら縛られた両手をぎゅっと握りしめることしかできなかった。 |