「あぁそうだおいしいミルクもつけてやるから、綺麗にしてくれよな」 そう言うと男は取り出した自分のペニスに、透明な容器の先端からこぼれてくる白い液体をたっぷりとかけて再び俺の目の前に突き出してきた。 濃厚な精液の香りがむわっと広がって、おもわず顔を顰めた。こんなものを舐めるなんてできるはずがない、それなのにやっぱり食い入るように眺めてしまっていた。 「遠慮してないでほら舐めろよ?それともプライドの高い情報屋さんは今更できないって言うのか。じゃあさっきのビデオの映像を平和島静雄に……」 「っ、黙ってろ…舐めるから、ぅ…そのうるさい口を閉じろっ」 シズちゃんの名前が出かかったところで、苛立ちが増して頭に血がのぼっていくようだった。確か昨日もこんな風に脅されたはずなのだが、いちいち構っている暇はなかった。 恐る恐る舌を伸ばし覚悟を決めると、先端をべろりとひと舐めした。すぐにぴりっとした刺激が襲い、肩がビクンと震えた。 「それだけか?あんなにおいしい、おいしいと言って舐めてただろ?いいのか、このままだと」 「っあ、だま…れッ…って言ってるだろ!」 その先は言われるまでもなくわかっていたので、慌てて亀頭の根元までベロベロとした後唇をめいっぱい開かせてから口に含んだ。 しかし口にした瞬間感じた特有の苦い味が、舌にじんわりと染みこんでくると確実に覚えがあって、熱さと同時に痺れて麻痺するような感触がうまれた。 予想ほど嫌いな味ではなくて、目を瞬かせた。 「いいぞもっと深く咥えてしゃぶれ。しゃぶるってわかるかな?もっと食いついて、音を立てながら涎垂らしてすすりあげるんだぜ」 「む、あっ…く…」 男をおもいっきり上目遣いで睨みながら、渋々といった感じでゆっくりと唇を密着させる。表面に塗られていた精液はもう飲み下すしかなかったので、舌を使って喉の奥に押しやって飲んだ。 どろっとねばつく感触が残っていて気味が悪かったが、それどころではない。 次に口内で唾液を垂らしながらペニスに擦りつけていき、やがて溢れたものが唇の端から垂れるのを見計らって口淫を開始した。 「ぐ、うぅ…う…」 「もっと口を閉じて吸いあげるんだよ。これはバキュームフェラって言うんだけどな、覚えておけよ?」 名前というよりは行為自体を覚えておけと言っているようだった。男の教えられるままに卑猥な水音を立てて吸い続けた。 行為の意味など知らない、知りたくも無い。反吐が出る、と心の中で思った。 「なかなかいいじゃねえか…それだけ淫乱ビッチだったら、感覚でわかるもんなのか?今度は柔らかい喉で奉仕しろよッ!」 「ん、ぐうぅ…っ、う…!」 従うように蠢かせていたのに、強引に頭を掴まれてそのまま喉の奥に捻じこまれてしまった。後ろからの責めも相変わらず激しい状態で、どうやっても抗うことなどできなかった。 顔が揺れる度に手枷が床と擦れて、カシャンカシャンと派手な音色を立てていた。 「うぅ、ん…っ、ふぅ…」 それから喉の奥まで一気に突き入れられた硬い塊が進んできたのだが、普通だったら吐き出しているところなのにあまり苦しいとは思わなかった。 それどころか口いっぱいに広がるモノで窒息してしまわないように、唇と舌で空洞を作りちょうどいい位置に誘導しながら息を少しだけ整えた。 (ははっ、もう慣れてるって…?嫌だなぁほんとさっき、から…っ) 昨日陵辱された記憶なんて前半以降は断片的にしか覚えがないはずなのに、全部自然にできていてただ目を見張るしかなかった。体に覚えこまされている、というのは嘘ではないようだ。 「なぁ今どんな顔してるかわかるか?ほら、こんなにエロいんだぜ」 「ふ、むうぅ…ん、っ…!?」 ちょうどよく俺の目に入る位置にビデオカメラの画面が寄ってきて、薄目を開けながら見ると、頬を染めながら根元までしっかり食いついている卑猥な姿が映っていた。 一体いつの間にこの今日の光景も撮られているのか、不覚だった。しかしそんなことはすぐに忘れて、画面を食い入るように眺めた。 予想以上に淫らな様子に、自分でもショックを受けるほど酷かった。さっき見せられた映像よりもなまめかしい雰囲気を漂わせていて、まるで熟練した淫売婦のようだった。 すぐに目を逸らしたが胸の動機が一層激しくなって、しょうがなかった。 そしてあることが頭をよぎった。 もし今の状態でシズちゃんのことを誘ったら、乗ってくれるだろうかと。体だけでも一つになれるだろうかと、考えてしまったのだ。 しかし途中まで考えかけて、やめた。虚しいだけに決まっている。こんな淫らになってしまった体だって、見せたくないのに。 「んん、う…んく、ぅ…っ…」 「なんだ覚えてるじゃねえか、そんなにがっつかなくてもミルクぶっかけてやるよ」 しゃぶっている男の言葉にはっと我に返ると、ぼんやりとしていた間にべっとりとかけられていた精液はすべて綺麗に舌で舐め取って飲み干していたようだった。 どうやってそこまでしたのか、ほとんど覚えがない。全部無意識にしていたというなら、相当すごいことになる。 戸惑っている間に、どんどんと硬く大きくなっていって口の中への出し入れも激しくなっていった。嫌でも限界が近づいてくるのが感じ取られたが、俺にはどうしようもできない。 口内の責めが速度を増していき、喉奥に遠慮なくぶち当たってごりごりと抉られるのすら心地よくなってきた頃に男がペニスを引き抜いた。 「うんぅ、ぷぁっ…あ、あ、んぅあっ…!?」 やっと口を覆う苦しさから解放されたと思ったのに、目の前が真っ白に染まって唇や頬に額などあらゆる場所に熱い精液が飛び散った。 片目を開けて放心している隙に、狙ったかのように今度は中を擦られて次の瞬間にはこれまでで一番甘ったるいような叫びのような咆哮をあげていた。 「やっ、あっ、あんっ、は、あああぁっ…んうぅ…ん……ぅ」 数秒遅れて自分が達してしまったことに気がついて、地の底に叩きつけられたような絶望感が心の中を波紋のように広がっていった。 けれど腰のグラインドは全く止められる気配が無い。それどころか二度目の絶頂に向けて促されているようだった。 「ほんとに情報屋さんは精液ミルク好きだな?そのうち臭いだけでイっちまんじゃねえか?ド淫乱だな、そりゃ」 馬鹿にするような言い方に腹を立てるほどの余力は、もはやどこにも残ってはいなかった。 text top |