「ほーらぬるぬる、だよ?」 その場にしゃがんだままだった臨也が、泡の塊をちょうどよくいきなり俺の股間に塗りつけてきて慌てて腰を引こうとしたが遅かった。 向こうは完全ににこにこと笑いながら手を素早く動かしていて、うろたえるしかなかった。 「どこ洗ってんだ!ふざけんな、離せッ!」 「やだよ、チンカス溜まってるのなんて舐めたくないもん。いいから黙っててよ。これぐらいでまた勃起したりしないでしょ?」 そんなことを言っていたが、指の間に挟んで洗っているように見えて擦っているのがはっきりとわかる。一度は萎えておさまっていたのに、絶対に勃たせる気満々に見えた。 ノミ蟲相手なんかに発情すらするわけがないと思っていたが、物理的にされれば生理現象には抗えない。このままではヤバイことになるのは当然だった。 「さっすが童貞、ちょっとさわっただけなのにこんなになるなんて。俺めちゃくちゃにされたらどうしよっか?」 クスクスと笑いながら艶っぽい笑みを浮かべていたが、瞳は笑っていないように見えた。何を考えているのか全くわからなかったが、こいつもそれなりに覚悟を決めているのかと思った。 「って、誰が手前なんかに突っこむか!いくらなんでもそこまでするわけねえだろ!」 「嘘、俺に今すぐ食ってかかりそうなぐらい怖い顔してたよ?」 ただの挑発だと、俺がそんな表情なんてするわけないだろとわかっていた。しかし急に下半身がズキンと急激に痛んだので、顔を顰めて自分で覗きこんだ。 すると臨也も手の感触でわかったようで、じっとそこを見つめていた。 「うわぁ、なんか普通より大きそうだなとは思ってたけどさあ、凶悪じゃない?長いし硬いし中もしっかり詰まってそうだよね、濃いの」 「馬鹿野朗!だから離せって言ったんだろうが!」 「そうこなくっちゃね。俺が体差し出してんだから、これぐらい楽しませてもらわないと、ね?っていうか一回出したほうがいいかな?」 驚きの声をあげていたが、やがて鼻歌でも歌いそうなぐらい機嫌を良くして顔をますます近づけていった。洗っているのとは反対の手で先っぽをつんつんと突いたりして弄んでいる。 「ねえ、いいよね?」 「……ッ!」 そう言いながら上目遣いで臨也がこっちを見あげてきて、その瞬間背筋をぞくぞくとした寒気が駆けあがっていった。 奴の頬はほんのりピンク色に染まり、熱の篭ったような目でうっとりと眺めてきたのだ。演技だろうがなんだろうが、これでムラッとこない男はいないだろうというぐらい情欲に濡れていた。 「なんて顔しやがんだ…」 「んー?だって、さぁ」 そこまで言うと体を離してシャワーを手に取り、そのまま泡で洗った部分に湯を当てて直接全部流された。しかしほっと安堵したのもつかの間で、またそこを手で掴まれた。 「ここが、俺に食べて欲しいって言ってるよ?」 「はぁ……ッ!?」 なにを言い出しやがる、と焦った数秒後にはそこがすっぽりとあたたかいなにかに包まれていた。これまで感じたこと無い柔らかさと心地よさに呆然としていたが、すぐに正気を取り戻した。 慌てて股間部分を見ると臨也の黒い頭しか見えなくて、一歩後ずさりそうになったが腰をがっちりと掴まれていたのでできなかった。 「ぷぁっ、もうこれぜーんぜん奥まで入んないって。デカすぎだよ」 「ちょ、待て、それお前…くわえ、て…?」 「あーそっかフェラされんのもはじめてなんだよね。やーい童貞童貞♪」 やけに喜んで弾んだ声をあげていたが、そんなことは耳に全く入っていなかった。 臨也にちんこを舐められている、というだけで胸が爆発しそうなぐらいに高鳴って困惑していた。どうしてかは、よくわからない。 「あはは、これ辛そうだから一回出してあげるよ。あぁ顔射したかったらしてもいいけど、別料金だから。いきなりごっくんして欲しいなんて言わないよねえ?」 「わ、かった…」 なんのことか全くわからなかったがとりあえず頷いた。その様子を怪訝な顔で見あげていたが、すぐに妖艶に口の端を歪めて再びそこに食いついた。 「…っ」 「ん、うぅ…ふ……うぅん…」 とりあえず出すと言ったからなのかはわからないが、片手で根元を握って支えながら顔を前後に素早く動かしてきた。 テクニックなど関係なくただ擦っているだけのように見えたが、さすが慣れているのか歯は一切当ててこない。 ぐちょぐちょと湯と唾液が混じりあう淫らな水音と、苦しそうに呼吸をする臨也の息づかいが聞こえてきてもうそれだけで充分だった。 「おい、出す…ぞ」 「ふ、くぅぅ…っ、んぷあっ、わっ…!」 風呂に入る前から勃起していただけあって、あっさりと溜まりに溜まっていた欲望をぶちまけてしまった。 しかも向こうはタイミングを読んで唇を離したようだったが、俺のほうが間に合わなくて臨也の頬や唇におもいっきり精液をぶっかけてしまったのだ。 驚いた顔でそれらを全部受け止めるのを、バッチリと全部見てしまった。きょとんとした幼い表情が白濁に汚れていく様は、見ているこっちがびっくりするぐらい淫猥だった。 (やべえ、こいつのこんな顔…俺は一生忘れられなくなりそうだぞ…) 「わ、悪い…」 やっと吐き出すのがおさまった頃に恐る恐る声を掛けたが、すぐには返事が返ってこなかった。 堪え性のない自分に対して自己嫌悪に陥りかけたところで、舌をチラチラと覗かせて唇の周りを舐めながら派手に笑い出した。 「あ、ははははっ!やってくれるなぁ、今のは俺も悪いよ。だってこんなに勢いよく出るなんて思わなかったんだもん、元気ありすぎだよ。っていうか溜めすぎで濃いよコレ」 わざとなのかは知らないが、味わうようにぴちゃぴちゃと舐めた後に喉をごくりと鳴らして感想を言ってきやがった。誰もそこまでしろと言ってはいないのに。 俺のもんが臨也に飲まれたというだけで、胸の奥がかっと熱くなり疼くような響きが沸いてきて……。 「さっすがシズちゃん、回復早すぎっていうか獣並の性欲じゃない?しょうがないから続きをさっさとしてあげようか。やっと童貞喪失だね、嬉しいだろ?」 あぁこいつは絶対に煽ってる、とわかっていながらもうどうしようもなくなっている自分がいた。 text top |