「ねぇこうやって人の事動けないように縛って犯すのって興奮するの?もっと抵抗したほうがいい?それとも怯えたほうがいい?」 「興奮してんのは手前のほうだろうが」 臨也の言うことはあながち間違ってはいなかった。久しぶりのシチュエーションに体が滾ってきていたのだ。とにかくもう遠慮などしない。全身どろどろになるまで犯してやろうと思った。 壁に寄りかからせるようにしてやると、キスだけで既に勃起しかけているそこに手を触れた。 「…っ、う」 先端の敏感な部分を撫でると肩をびくりと震わせながらわずかに吐息を漏らした。切なく眉を顰める表情がたまらなく良かった。 「もう先走りの涎垂らしてんじゃねぇか。手でイかせてやろうかぁ?」 「冗談?そんなもったいないことしないで、入れてよ。そっちだって勃ってるでしょ」 唇を尖らせながらあっさりと強請ってくる姿に若干おもしろくないものを感じていると、ふと思い出したことがあって片手をポケットに手を入れて小瓶を取り出した。 それは例の媚薬だった。随分と使ってなかったがもう必要ないし、今なら別の用途で使っていいかと思ったのだ。 「え?なにまたそれ飲ませるって……」 「あぁそりゃ違うな。こうすんだ」 瓶の中の液体を手のひらに垂らすといきなり臨也の後ろの周辺に塗りたくりはじめた。あまり量はなかったのですぐに使い切り空になった瓶を床に無造作に転がした。 そして濡れきった指を二本入り口に押しつけると、待ってましたといわんばかりに飲みこまれていった。 「ひ、やぁっ!?な、うそ…やめてッ、よそれ!仮にも媚薬入ってるのに皮膚で直接摂取したら…」 「いいんじゃねぇのか?催淫効果の部分だけ効くっていうんなら大歓迎だし、もしまた記憶を忘れるっていうんなら思い出させてやる。媚薬漬けで頭おかしくなったとしても、最後までつきあってやるよ」 これですべての原因になったあの薬はもうないと思うとすっきりしていた。もう二度と使うこともないしそうする必要も無い。媚薬なんかなくとも充分に奴は淫らなのだから。 まだ入れているだけなのにひくひくと締めつけているそこは、焼けるように熱くなにを待ち望んでいるのか示しているようだった。 「ま、ったく…無茶苦茶なんだから…っ、あぁもうほら効いてきたじゃないか。あ、つぅ……」 しゃべっている途中で明瞭に顔色が変わった。瞳が蕩けるように細められ、頬も体も赤く染まりだし足で立っていられないほどにぐらつきながらも指を離すまいと食いついている。 縛られた腕に力が無くなり、全身がカタカタと震えてきていて効果があらわれていることを物語っていた。 「ねぇ、やばいってこれ。動悸激しいし疼いて、苦しっ…指だけじゃせ、つないよぉ…シズちゃん」 さっきとはまるっきり違う強請り方に満足したので、口元を歪ませて答えた。指を乱暴に引き抜いてベルトを外すと完勃ちしたそれだけを下着から取り出し、後ろに宛がった。 すると臨也のほうから背伸びをして腰を少しだけ浮かせて自ら率先して一気に中まで押し入れていった。 「あ、あぁ…っ、きたこれッ…おっきぃの…っ!」 「勝手に入れてんじゃねぇよ、臨也!おら、こうして欲しいんだろ?」 先を越されたのがなんだか腹が立って、体を引き寄せるとそのまま腰のあたりを掴み空中に抱えあげるようにして離れるギリギリのところまで持ちあげた。 「…ぁ、はあぁ…こ、のまま串刺しに、でも…する気なの?」 こいつの言う通り手を離せば重力のままに全体重をかけながら深々と俺のモノが突き刺さるだろう。手は塞がれていて逃げることもできない。 普通だったらここは怖がるところだ。そんなことはやめてくれと叫ぶところなのに、そうはならなかった。 「あはっ、はやく…してぇ?」 予想通りの言葉が紡がれた瞬間に、手を緩めていた。 「は、あああぁああぁッ!あ、ふかいっ、うぅ、奥がごりごりっってぇ……ん、うぅ」 派手に歓喜の声をあげながらしっかりと結合部が密着し、自分で動けないのがもどかしいとでも言うようにそわそわと尻を振った。 やっぱり媚薬が効いてきているのか内側からの刺激は普段よりも相当なもので、気を抜いたらこっちがイかされてしまいそうだったがそれが逆に煽っているようでちょうどよかった。 「は、あぁあ…ッ、きもちいぃよぉ…シズちゃんのおチンポおいしい…んうぅ、もっと突いてぇ?」 両手で腰の横をがっちりと掴み臨也の体ごと軽々と持ちあげながら前後に振り動かした。 すぐに反応に合わせるように向こうからも絡みついてきて、こんなにもセックスを繰り返しているのに狭さは変わっていないのは純粋にすごいと思った。 目尻に溜まった涙が頬を濡らしだらしなく口をあけて唇をわななかせながら、淫猥な言葉で気持ちよさを表現していたがそれ以上しゃべらせないように舌を割り入れた。 「ふ、うぅッ!?うう、んうぅ、っ、ん、ううぅぅ……ッ!」 キスをしながら体ごとグラインドさせると、おもしろいようにうめきを漏らして下半身をビクビクとくねらせた。 内もありえないぐらい強い力で収縮を繰り返し、中身を強制的に搾り出されようとしていた。激しい息遣いをすぐ傍で感じながら上も下も責めるのをやめなかった。 「うぅ、んうぅッ…!ぷ、ああぁっ、はあ、や、も、だめええぇッ、はん、うぅぅううああぁぁ……はあぁ」 限界寸前で顔を離すと唇の端から汁液を垂らしながら、感極まった甘い叫び声と共に白濁液を飛び散らした。負けじとこっちも叩きつけるようにしながら奥底に吐き出してやった。 少しだけ正気を取り戻した頭で、バーテン服が汚れたことを後悔したがそんなことで怒ることはしなかった。 前に臨也が攫われてしまった時はそれが原因だったからだ。大事なものは変わらないが、今はそれに気を取られている場合ではない。優先順位が変わったのだ。 「はぁ、は…ッ、んぁ、あつ…まだ足りない…ねぇ、シズちゃん…ぅ……」 「わかってるよ。今のは前戯みたいなもんだろ、なぁ?」 うっとりとした表情で微笑みかけられたので、鋭く睨みつけながらゆっくりとサングラスを外し胸ポケットに仕舞った。 結合部からわずかに溢れた液体が二人の間にぽたぽたと滴り、臨也が首を振って頷くと同時にくちゅりと淫らな水音が部屋の中に響いた。 text top |