エテルニタの果て | ナノ


12:後悔をした


「エルしってるよ!」


カラハ・シャール。わざわざマクスバードからリーゼマクシアへ渡ってシャール邸へとやってきた。久しぶりにエリーゼやドロッセルに会えて嬉しいけれど昨日の今日では疲労感が酷い。


「おお!!よかったら私に教えてくれないかな??」

「パパのアイジン!でも今はルドガーのコイビト!」


「ええ!?え?」
「こ、恋人、ですか…?」


「エ、エル…!!」


ぼんやり成り行きを見守るつもりが、エルの衝撃発言のせいで気を抜けなくなる。一気に女性の視線を浴びるのは冷や汗ものだ。


「じゃ、じゃあその吸血鬼さんは凄く美人な女の人なんだね…!ルドガーも隠さなくていいのに!」


「?、なまえは男の人だよ!エル何回も見たし!話したことあるもん」


「ええええ?!」
「禁断の恋、ですね」


「違…エル!勝手なことばっか言うな!」


話が段々と間違った方向へと進んでいく。エリーゼも何処であんな言葉を知ったのか子供は侮れない。ジュードに聞けばよかったと今更後悔した。


「だってパパの代わりにルドガーのことほしいって言ってたし!エル間違ってない!ルドガーが勝手なの!」


「某駅食堂の店員、ルドガー・ウィル・クルスニク…吸血鬼に恋をする──」


「………やめてくれ」



なまえを知るための行動が、ただ誤解を生み出すだけの行動になってしまう。

それにそんな感情は………


「…………」


ない。



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