エテルニタの果て | ナノ


08:いただく


「っ…、ッ!…」


びく、ビクッと舐める度にルドガーの体が跳ねる。血も唾液も精液もダメだと言われれば汗しかないわけで、血や唾液のほうが確実に早いと思う俺はイライラしながら首筋を中心に舌を這わせていた


「ッ…ん、あ…─っ!」


どくどく脈打つそこを舌で確かめるように舐めとって、かぷっと甘噛みする。

噛みつきたい。

肌を突き破って、今よりもっと甘い匂いを味わいたい。


「ルドガー、吸わせろ」


「っ…」


筋を辿り、くちゅ、と耳に舌を差し込んでは囁いた。彼の体が跳ねる


「いいだろ。それとも、これ、くれんの」


「う…っ、あ」


「あたってんだけど」


ほんの少し固くなっているそこ。予想はしていたがあまりいい気分じゃあない。けれど空腹に逆らえない俺にとって、そんなことはどうでもよかった。


「ふ…っん、なまえ…やめ…─触…」


「返事しろ。どっちも吸うぞ」


「っ…、…─」


そして、くい、とゆっくり首筋を差し出した。端から吸わせとけばいいものの、手間がかかる男だ


「力抜いとけよ絶対」


ギシ、と身を乗り出して彼に覆いかぶさる。ゴクリと唾を飲んだのが見えた


「あっ…─、!!!」


「…ん、」


ツプリ、塞がりかけていたふたつの傷痕に重ねるよう歯を立てる。途端に甘い匂いが鼻を掠めて、思わず目を細めた。美味しい

ちゅ、ぴちゅ、ちゅう、と
溢れてくる血液を吸いとっては喉を潤していくそれ。生暖かい感覚はゾクゾクする


「う、は…っ…なまえ……、も…」


「……─ん、だよ限、界──…」


ドク、と本能が大きく跳ねあがった。

はあはあ息を荒げて、虚ろな目が俺を見上げていたのだ。たらりと流れた汗が首筋を伝い血液と滲む


無意識だった。


俺が唇を重ねたのは。



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