▽19日 今日の最下位は蟹座のアナタ。 そんなアナタのラッキーアイテムは友人の彼氏!水瓶座の友人だとなお良し! テレビからいつもの占いが流れてくる。彼氏ってアイテムじゃないだろ。なんでもありかこの番組。 「名前くん」 「ん。」 「あの、」 そのとき、ぴんぽーんっとインターホンが鳴った。朝からなんだ?回覧板か? 一口だけお茶を飲んでモニターまで移動する。 「え……」 画面に映っていたのは、機嫌の悪そうな緑色―真太郎だった。 思わずテツヤを見る。 「物凄い機嫌悪そうだけど」 「……。出なくていいです」 「……喧嘩してるの?」 「いえ、特に」 それだけ言うと、また食事を開始する。 テツヤはあれか、玄関前で放置するのが好きだったりするのか。 そんな彼の携帯からはブー、ブーとバイブ音が響いている。けれどちらりと見るだけで取りはしない。 恐らく相手はモニターに映る真太郎だろう。めっちゃこっち睨みながら電話かけてるし。怖すぎ。 「名前くん、ボクは水瓶座です」 「え、うん」 「彼は蟹座です」 「ああそ、う―……」 "今日の最下位は蟹座のアナタ。 そんなアナタのラッキーアイテムは――……" 頭の中で数分前の言葉が再生される。 「………………まじで?」 「はい」 どうやら今日の真太郎のラッキーアイテムは俺らしい。 ← / → |