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「そういうことだったんですね」

「そういうこと」

かくがくしかじか、これまでの誤解を訂正するため、ひとつひとつ丁寧に説明した。ちなみに噂の内容を聞いた火神は複雑な表情である。

「それは火神くんが悪いです。……朝に気づけなかったボクも悪い、です」

「待てよ、黒子はあれでも、俺は感謝されるほうだろフツウ!」

「同罪でいいじゃないですか」

「おい!」

「いや別にそこ言い争わなくてもいいって」

「だそうです」

「………………」

収束がつかなくなりそうだと即座に会話を終わらせたはいいけれど、どうやら火神は納得してないようだ。だからといってぶり返すつもりもないので、ぽんぽんと彼を宥めつつ、何か言いたいらしいテツヤに視線を向けた。


「なに?」

「、体調は大丈夫なんですか?」

「ああ……うん。怠さは残ってるけど大丈夫」

「今日みたいな無茶はしないでください」

「しない。絶対しない」


二度とそんな噂がたってたまるものか。

大学の奴らに何度も誤解をとくようなことはしたくない。もしかしたら回を重ねる度に信頼度にも響くかもしれないのだ。

ああ、

「そういえば、キセリョからメール来てたんだけどアドレス教え、」

「るわけないじゃないですか」

特になんの意図もなく携帯の画面をつけて、さーっと未読のメールを適当に流していたときだ。ちょうどそのメールが目に入った。まあ話題にしたらしたで言い終える前にスパッとテツヤに切り捨てられましたけども。勿論火神にも。


ですよね。





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