▽21日



大学が終わって、そのまま直行でバイト先に向かう途中のこと。とある路地裏を通りすぎようとして立ち止まる。


「……?」


今なんか、水色の頭が見えたような。

気のせいだと思いたいけれど、残念なことに近くにはマジバのバニラシェイクが転がっている。


「……、……」


ちゃんと確認しよう。


嫌な予感を抱きつつも、数歩後ろのそこを恐る恐る覗いてみる。

そしたらちょうど頭の悪そうな野郎が水色の頭――もといテツヤの胸ぐらを掴んだところだった。

ああもうなにソイツ殺す。


「ちょっと、」


「……あ?」


「!、……名前く、」


「はいさよなら、」


色々とやりとりするつもりはないので、テツヤが名前を呼び終わる前に思いっきり足でそいつをぶっ飛ばしてやった。意外と飛ぶもんだな。ざまあみろハゲ。


「じゃあ、行くか」


「………………」


「テツヤ、」


「……あ、はい、」


少し呆気にとられている彼の手を引いてさっさと路地裏を出る。相手が持ち直したら面倒だ。説明は後でしてもらおう。


「どこも触られてない?」


「、はい…触られてません」


「ケガは、」


「大丈夫です」


「話は後で聞くから」


まあ、バニラシェイクが転がっていたあたり、大体予想はついていたり。


俺より正義感は強いからな、この子。




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