「じゃあ修業の第三段階を始めるぞ。いいか、ツナ」
「うん!」
昨日とは打って変わる晴天、俺はいつもの修業場所に来ていた。今日から修業の仕上げを完成させるため、超モードのスパーリングが始まるのだ。
修業当初と比べれば、綱吉くんの表情はかなり様になってきている。これぞ、家光さんの認めた彼なんだろう。
「第三段階はいよいよ死ぬ気のコントロールの最終形、‘死ぬ気の零地点突破’だ」
「……ぜろちてん………?」
「いよいよ初代しかできなかったという幻の奥義に進むんですね」
「それができればヴァリアーより強く……XANXUSに勝てるかな…?」
「さーな、あいつは強ぇからな…」
「……」
「沢田殿…」
「っ……やるよ!可能性があるならなんだって!!」
「そうか」
しんみりした空気の中、強い意思を見せた綱吉くん。ちょっとは男前になったんじゃねーの。ちょっとは。
「まず、超モードでの死ぬ気のコントロールをものにするためにスパーリングをするぞ。二人とも超モードになるんだ」
「はい」
「!?、二人とも…?」
「親方様にムリ言って拙者も許可をもらってきました。多少体には無理はかかりますが、理論上はこれでいけるはずです…――ぐっ………」
ゴクゴクと死ぬ気丸を飲み込んで、超モードへと準備を整えるバジル。こちらから見ても判るくらいそれは強力だ。
「準備…完了です!」
「だ…大丈夫なの?バジル君……!」
「拙者もあんな奴らに親方様の守ってきたボンゴレをわたしたくないんです。手加減しないでくださいよ」
『まったくだな。手加減したときは俺が相手してやるよ、綱吉くん』
「……バジル君…苗字さん…わかった!」
「よし」
微笑んだリボーンさんが、銃弾を一発―綱吉くんへと放った。
そして―
「バジル……苗字、恩にきる」
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