「つっかれたー。あー。グミは切れるわアルヴィンは飛んでくるわで死ぬかと思った」
ばふっと宿のベッドに大の字で寝転がる。ああ、飛んできたっていうのはアルヴィンが吹っ飛ばされたってことね。そんで俺に落ちてきた。ギリギリ避けたけど。近くの魔物に攻撃食らわされて意味なかったけど。
もし今日の部屋割りがアルヴィンだったらシバいていたくらいには死にかけた。
「つうか痛いし」
「え、まだ痛むの?」
「ちょっと」
それまで俺の話を苦笑いで聞いていたジュードが、痛いの一言で心配そうな表情に変わった。白衣脱いだらまた雰囲気違うな。
「見せて、回復するよ。腕だったよね」
「よく覚えてるな」
「うーん、普通だと思うけど…。それに共鳴してたでしょ」
「悪い。痛かった?」
座り直して、腕を捲くりながら彼の右腕に視線をやった。やっぱ拳使うだけあって筋肉がしっかりしている。あれで殴られたら一たまりもないな。
「痛かったのかな…?名前のこと助けなきゃって必死だったから」
「ジュードさー人に気回しすぎ。ルドガーもだけど」
エリーゼちゃんとかレイアちゃんの仕事取るのもどうかと思うぞー。ミラちゃんを見習え。
「名前は油断しすぎだよ」
「そんなこと、」
「あるでしょ…。あ、ちょっと腫れてる―…」
スッと赤くなっているそこに彼が手をかざせば、パァアっと暖かい光が輝いて腫れが引いていく。
「凄。俺も回復術欲しい」
「練習すれば名前もできるようになるんじゃない?」
「んーまあでもジュード居るから俺はいいわ」
「…、……もう」
「違う?」
「……ううん。違わない」
仕方ないなあと表情は言ってるけれど、満更でもないのか、それ以上は何も言われなかった。
明日もサポートしてもらおう。