とある日の話(日向翔陽)


※日向と幼なじみ



「ナマエ〜〜〜〜!!」


「うわー…………翔陽」


坂ノ下商店を少し過ぎたあたり、後ろからうるさいのが来た。心なしか中学の頃より声が大きくなってないだろうか。翔陽を追いかけてきていた目つきの悪い彼も日向ボゲェ!なんて言っている。

「うわーってなんだよ!失礼な奴だな!」

「じゃあなんだ、きゃーって言ってほしいとか?」

「ええ……それはなんか気持ち悪い」

「死んどけ」

「イダ!!!!」

げしっと軽く蹴ってやったら、自転車と共にこけそうになっていた。ざまみろー。


「なにすんだよ!!別におれは死なない!!」

「それで、どうした?すっげー帰りたいんだけど」

後ろのほうに居たバレー部の皆さんとの距離が縮まれば縮まるほど、アウェイ感が増すのだ。早く帰せこのやろう。

「あ、ごめん。。あの、今度の日曜、暇か?暇だろ?!ナマエだし、暇だよな……?」

「……お前も充分失礼な奴だな。ちょうど暇な俺にも腹立つわ」


「やった!ならトス!!あげてくれ!!」
「っ……トス……!?セッター……!?」


パァアっと途端にやる気メーターがあがった翔陽と同じく、今までだんまりだった目つき悪いのがいきなり食いついてきた。なにコイツ怖いわ。ついでに後ろのバレー部の視線も怖いわ。振り向けない。さっさと退散したほうが良い。絶対良い。


「ちょっとだけだそ。10時くらいに俺ん家集合。ボール忘れんなよ?」

んじゃなー、

そう軽く手を振って足を踏み出した。わかったサンキュ!またなー!という翔陽に対して、オイ待てと言いかけていた目つきの悪い彼にはこれから気をつけようと思う。




 

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