イベンチュアリー(宮地)


※これはびっくりの二人



中間テスト一週間前、遊ぶやつもいれば勉強するやつ、いつもと変わらないやつもいる。俺はみっつめだ。いつもと変わらず日誌とやらを書いている。委員長だからさ。


「今日は……雨で、」


あ、そうだ。


傘忘れたんだった。


どうしよっかなー、と欠席者の名前を書いていく。小降りならまだしも結構降ってるんだよ。学級委員長がずぶ濡れとか明日からかわれるし


ダチに頼めばなんとかなったかもしれないなんて今更に校庭を見つめる。そんな思いが伝わったのか、ガラッと教室のドアが開いた。

「げ……」


「お、宮地。会いたかったイエス」


「ははっ、殺す」


「一緒に帰ろう。傘忘れた」


物騒な言葉は聞かなかったことにして、彼の手にあるそれを凝視しながら黒板の日付を消す。濡れて帰るもんか。


「誰がお前と…気持ち悪ぃ。俺は今から練習すんだよ」


「練習…?バスケの?一人で?勉強は?どうするの」


「一気に質問すんな!轢くぞ!ヤバかったら練習できねーだろ」


「じゃあ、調子こいてるんだ」


「てめぇコラ…!ナマエ!」


「なあに清志」


「ばっ………」


うわ、変な顔。

ノリで清志と呼んだのがいけなかった。
ちなみに余談だけれど、俺の苗字はよくあるもので、名前か委員長で統一されちゃってたりする。宮地は名前派みたいだ。たまに委員長っていってるか?


「ていうか宮地、しっかりしろ」


「…黙れ帰んぞ」


「、うん」


結局傘に入れてくれるらしい。練習はどうすんだか。

まあ、いいか。明日は晴れろ。

 

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