「……ってて、頭がガンガンする…あ、え? ここは?!」

「…起きたのね仗助くん」


ガバリと床から身を起こす仗助
ベッドに腰掛け見下ろしていたのは名前。仗助も良く知る学校の保険医だった。困惑したように彼女は扉を指差す。その白く細い指に従い首を動かした


『セックスしないと出られない部屋だよ! 楽しんでね!!』


下品なピンクのポップ体が扉の上で踊っている
ぐるりと見渡せば窓すらない、奇妙な部屋。唯一あるのは仗助でも悠々と乗れるようなキングサイズのベッドとだけである。いや、唯一というのは間違いか。ご丁寧に枕元にローションがあった。


「……わたしはいつものように保健室にいたのよ。でも急に眠くなって…」

「そしたらこんなことになってた、っつーことっスね…よし! おれに任せてくださいっス。すぐに出れますからねーっ!」


よっと、などと呟きながら立ち上がる
背後には拳を構えたクレイジー・D。勢いよく破壊力Aの衝撃が扉にぶつかる。鉄骨を曲げコンクリートを砕くその痛撃は扉にぶち当たり、そして、


「ッツ! な、ビクともしねーだと?!」


扉を変形すらさせられなかった。
その後も壁や床、ベッドをずらした場所まで拳をふるったが全く効果がない。まるで雲をつかむかのように成果がない。どれほどラッシュを食らわせてもヒビ一つないのだ。疲弊し一度座る仗助。その様子をじっとみていた名前は静かに呟く


「…やっぱり、アレに従うしかないんじゃあないかしら。ここには食料も水もないわ。暴れているうちに体力がなくなって、その、することもできなくなったら飢え死にしかないと思うの」

「いや、それは、」


ベッドに座っていた名前を見上げる。
静かな、目だった。やけになったのではない、冷静な現状の最善を考えた目。その瞳にうつった『覚悟』に言葉が途切れる。彼女はこの学校の教師で、仗助はこの学校の生徒だ。スタンドであろうが生徒を保護する義務がある。ぱさりと白衣を脱ぎ去った。おおぶりな胸元が強調される。男子生徒の中で噂される肢体が徐々にあらわになる。美しい髪、白い肌。名前に会うためだけに仮病するものすらいる美しい女性。ブラのホックに手を回すと仗助は彼女の脱衣に顔を赤らめ、慌てて止めに入った


「ッ、っちょ、何してんスか! ちょっと、あの、これもっぺん着直して、いやせめてこれ羽織ってください!」

「あら、着てる方がいいの? 大切な学ランが汚れちゃうわよ?」

「いやそんな、ッツ、うお?!」


あっけからんと言い放つ
学ランを脱いで差し出す仗助の腕を取りベッドに引っ張る。思いの外強く引かれバランスを崩してしまった。男子高校生の巨躯は支えられることなく重力に引かれ、慌ててスプリングのよくきいているベッドに腕をついた。腕の内側には長い髪、ちょうど視線が名前とあった。


「…積極的、ね」

「いやいやいやいや、ほんと、ね? 仗助くんこう見えて純愛派なんでこーいうのはよくないんじゃないかなーって! それにほら先生もヤバいんじゃあないっスか?!」

「ベッドしかない密室で餓死する方がヤバいでしょう? さっさと出ましょう。…仗助くんがしないならわたしがシてあげる」

「…は、えっ?!」


名前が体を起こすと同時に仗助がベッドに沈む
不意をうたれ簡単に押し倒されたまま目を白黒させ硬直している。その顎を白魚の指先がつまみ、くいっと上げた。艶やかな笑み、悪戯に挑発的な名前の視線が仗助を刺す。その手はベルトのバックルにかかり、片手で器用に外された。慌てふためき必死に制止する。


「ちょ、ほんとにやべーっスってば!! 先生がこんなんしちゃ…」

「…わたしはイヤ? 死ぬよりも?」


悲しげに目を伏せる
一転してしおらしく、少女のようなあどけない表情にいっそう鼓動がうるさくなる。ぶどうヶ丘高校のマドンナ。その美貌と誰のアプローチをも華麗にかわす姿からついたあだ名だ。からかうように会話をかわし、それでいて誰にも決定的には踏み込ませない。そんな彼女の感情的な姿に顔に熱がのぼる。ふわりといい匂いがした。女の子の匂い。溢れた髪が学ランの上に落ちる。


「ねぇ、ここには誰もいないの。わたしと仗助くんがしゃべらなければ誰も知らないままよ。だから、ね…?」


視線に艶がのる
細く歪んだ唇に視線が釘づけになる。あの名前先生が、こんな風に。微笑を乗せたままそっと腹に手を置かれる。そのまま腹筋をなぞりベルトを抜いたズボンを引っ掻く。ばくばくと心臓がうるさい。硬直した体がいうことを聞いてくれない。口から出る声はどれもヒュウヒュウと吐息に変わってしまう。カリカリと爪がチャックと音をたてわずかな振動に欲が震えた。


「………たってる」

「あっ、あのっスね?!これは、その、仗助くんも年頃の男の子だっつーか、ってか先生のせいじゃないっスか!」

「えぇ、だから責任とってあげるわね」

「えぇっ?!ちょっ、名前先生ッ!」


するりと簡単にズボンを取り払う
その勢いのままトランクスもずり下げ、ムッと濃くなった雄の匂いに顔を近づけた。ふぅ、と吐いた息が赤く、使われた様子のない先端にあたりビクリと震える。期待するように見つめる子犬のような少年に思わず笑みがこぼれた。口ではこう言っていても体は素直なものだ、だなんて悪役みたいなことを考えながらそっと食む


「うぉっ、ちょ、せんせ……ぅんっ…」

「ひもひーい?」


ちゅう、と先を吸ってから根元から擦ってあげる
未知の快感なのかふぅふぅと必死に息をしながらわたしのひたいを押してくる。押す、と言うのは正確ではないか。女に手荒なことができないのか快感にとろけているのか、そっと頭に触れているだけで力などこれっぽっちもこもっていない。年に見合わず長大なそれを頬張り、入りきらない部分を少し強めに擦り、最後にねろりと裏筋から舐めあげる。真っ赤な顔ではふはふと呼吸しながら仗助くんは小さく口を動かした。


「…ぁ、いいっス、から、くち、はなしっ、ぅっ」

「っう、…結構濃いのね。うん、健康的」


はじめてだったのかほんの一瞬だった
その事実が恥ずかしいのか真っ赤な顔で睨んでくる。正直逆効果だ。大変そそられる。むくれたように唇を尖らせ仗助くんは呟いた。


「…だってしょうがねーじゃあないっスか。……ハジメテ、なんで」

「そう、ならもうちょっと頑張ってちょうだい。オーラルは含まないみたいだもの」

「はァ?! っちょ、これ以上は、」

「『これ以上』、しないと出られないわよ?」


そう言い自分の服に手をかけると慌てて目をそらす
太ももの上に跨いでいるからか逃げたりはできないようだが部屋の隅を睨む姿はかわいらしい。するりと下着をおろし、ゆるゆると元気を取り戻しつつある熱に触れると逃げていた視線が戻ってきた。まさにおそるおそる、といった風でゾクゾクしてしまう。じくりと膿んだ腹が高揚する。期待とほんの僅かな恐怖に揺れる仗助くんの勃起に触れるとビクリと肩を揺らした。なんだか捕食される前の小動物みたいだ。


「マジで、するんスか…?」

「何度もしつこいわね。そこで天井のシミでも数えていなさい」


じわじわと疼きを叫ぶ子宮。じっとりと汗ばんだ肌。大人しい体に乗り上げてその欲に触れ、そっと抑えた。奇妙な停滞。互いの呼吸音しか聞こえないまま、見つめ合い、そっと腰を落としていく。綺麗な目だ。くりっとしていて女の子も顔負けの大きな目。それがわたしを見つめている。本人すら気がついていない肉欲と、僅かな獣性がその奥で牙を研いでいる。背筋を、何かが駆け抜けた。


「……んん"っ、ぁ、は、…」

「っうあッ?! ちょ、これ、やばッ……!」


目の前で名前先生が大きく息を吐いた
けれどそれどころじゃあない。竿ににゅるっと熱い肉が絡んで、きゅうきゅうと締め付けて、名前先生が動くたびにきゅっきゅっってして、あつい、あつくて気持ちいくて、腰から下が溶けてしまいそうだ。先っちょがあったかい所に触っただけでもやばかったのに駄目になる。このままじゃあちんこが溶けちまう。そう思ってるのに抜けない。気持ちいい。抜かなきゃいけないのに、抜きたくない。はふはふと息をするおれを見て先生はクスリと笑った。


「……んっ、仗助、くん…動くわね…」

「や、ちょ、まって、今はダメっスから!っひ、んんんっ!!」


耳触りな声が漏れそうで口を噤んだ
男の嬌声だなんて聞きたくない。だってのに音にして発散させないと死んでしまいそうだ。どうしたらいいかわからず口元を抑える。騎乗位、というのだったか、名前先生がゆっくり腰を動かすとひだひだがちんこを擦って、でもってぎゅうぎゅうして、もうダメになってしまいそうだ。自分の手なんかじゃあない、ビリビリとした快感が頭をチカチカさせる。グツグツに煮えたきんたまが爆発してしまう。三擦り半とまではいかないがもう限界だ。じわじわと迫り上がるものを必死に男の矜持で押し止める。これっぽっちで出しちまうなんて情け無いったらねーから股間に力入れて気を逸らす。今、相当見っともない顔をしているのだろう。名前先生が薄く笑っている。ちょっとづつ手を繋ぐところから始めてスマートにかわいい女の子を抱きしる予定がどうしてこうなった?!


「う"、っふ、んんっ…ふ、っふ、は、なまえ、せんせ、……ぅうっ、も、でちま、うッツ、っぁ! なんで?! っく、ゥ、ぁあ……っ」

「そんな、っふ、切ない顔しないで…?ゴム、ないじゃない」


もう限界!って時にぎゅううっと根元を握られた
頭の中がぐちゃぐちゃでもすげー気持ちよくて、あったかくてにちにちきゅうきゅうしてて、このままイけたら最高に気持ちよくなれるって時に止められて情けない声が漏れてしまう。正論だがこんな時まで先生面しないで欲しい。白い肌が興奮で色づいて目の毒だ。細い指でキツく握られたままゆさゆさと動く体に合わせて揺れる胸に目がいってしまう。思わず細い腰に腕を回すとくすりと笑われた。


「ンッ、ふ、ふふふ、なに?」

「なまえせんせッ、ちこっとだけ、なァ! も、限界なんスよぉっ…! うっ、ふ、ぐ、だしてぇ…」


話している最中にも締められて言葉が続かない
ずぶ濡れの子犬のだすような哀れな声色。先生が少し動くと、その、繋がってるところから濡れた音が聞こえていっそう興奮する。出したいのに出せない。それなのに気持ちよくて、こんなに辛くてどうにかなっちまいそうなのは初めてだ。動きたい。このまま腰を掴んで名前先生の奥まで触れて、ぎゅううって抱きしめてくれる場所にぶちまけたい。ふぅふぅと息をしていると先生のもう片方の手が後ろに回り、カリッと爪たてた。


「いいけど…こっちで気持ちよくなってから、ね?」


ニッコリと満面のえみ
男はケツ穴でも気持ちよくなれる。噂には聞くが割とマジで冗談じゃあない。血の気が引いていく音が聞こえるようだ。逃げるなりなんなりしようと腰を掴んでいた手を外しもがくがはいったままのちんこをぎゅううっとされて力が抜けてしまう。


「逃げなくても…こわいことなんてないわよ?」


獰猛な、肉食獣のような目
オトコノコの1番大事な場所を抑えられて抵抗なんてできるはずがない。もうこうなったら名前先生のされるがままになるしかなかった。

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