掬う愛情 | ナノ
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「言葉を勉強しようか、リンク」

「勉強?」

「そう。リンクは口には出せるけど、書くのはまだ難しいでしょ?ひらがなドリルっていうの買って来たから、やろう」


自分の保育園児の頃を思い出してみたら、年長さんのことからひらがなとカタカナの練習をしていた気がするので買ってみた。リンクは別に必要がないものなんだろうけど、まー知識をつけることに問題はないと思うので一応教えておこう

ハイリア語はあっちで勉強すれば読めるだろうし。ていうかこの世界のカタカナを覚えていればハイリア語だって読みやすくなるだろう。似てるから


「えぇー、僕お外で遊びたい!」

「駄目よ。今のうち勉強しておかないと後先困るんだから」


せめてすらすらとひらがなが読めるくらいにはなろうかリンク。私絵本の読み聞かせするのって結構きついんだ。夜は眠たいんだよリンク。


「むぅ」

「そんな拗ねたってお母さんには通用しないよ」

「じゃああきらめる」

「早っ!」

「だってお母さんが言うんだもん。ちゃんと僕はするよ?」


いつからこんな偉い子になってたんだ。いや今思えばリンクは少し前からこうだった

鉛筆を握らせてドリルを渡すと、リンクはなんとなくどこをどう書けばいいのかわかるらしくすらすらと書いている。おぉすごい。その調子その調子

薄い線をなぞったあとに実際にひらがなを書いてみる。それをいくつか繰り返したリンクは、ふと私を見た


「お母さんも勉強、したの?」

「したよ。リンクとおんなじ頃から、そうだねぇ・・・・しばらくはずっと勉強してたかな?」

「お母さんすっごい!こんなのやってたの?僕もうしたくないよ」

「いやだから諦めも飽きるのも早いんだよリンク」


大丈夫かこんなリンクで。ハイラル救えんのか。

いやまぁリンクは学校には通わせること出来ないし(耳とか色々と問題が)、あとは計算くらいはリンクに教え込んでいたほうがいいだろう。計算はハイラルで生きていくにしても必要不可欠なものだ。足し算と引き算は必須だ。

まずは言葉を覚えてからだけどね。一気にやったらなんでもキツいし


「あいうえおが終わったら、明日またかきくけこをしよう」

「うん!がんばる」

「そのドリルが終わってちゃんと書けるようになったら、リンクに虫網みと虫カゴを買ってあげようかね」


前にリンクが欲しがっていたのを覚えている。リンクは私の言葉に目を輝かせて鉛筆をぐっと握り締めると、にっこりと笑った。いつ見ても輝かしい笑顔をするなリンク

なんだか私までつられて笑顔になれば、リンクは楽しそうに嬉しそうに言う


「お母さんが言ってた、人にえがおをあげるって、こういうことなんだ!」

「え!?覚えてたの!?」

「?僕お母さんから教えてもらったこと、ちゃんと覚える子だよ」

「そ、それは偉いけど、ていうか嬉しいけど」


二次元の子供は色々とぶっ飛んでいるな。五歳の頃に教えたことを普通今まで覚えてるもんなのだろうか・・・しかも私の言葉って・・・・もっとインパクトのあるようなものを覚えてるなら話はわかるんだけど

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