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「私はC級だよ。一応ヒーローやってる。はじめたのは一年前くらいかなぁ。植物を急成長させることができてね、それで戦うのさ。なんならサイタマさんが育ててるサボテンも巨大生物にすることができるよ」

「おいやめろ」

「やっだ、しませんよ!サイタマさんの家壊れちゃいますからね」

「なるほど。意志をもって植物を動かすことができるんだな」

「そうそう。ううん、だいたいジェノス君がサイボーグになったころくらいに気づいたかな?っていうか確信した。小さいころからおかしかったんだよ。植物は話しかけたら成長が早くなる〜とかいうから、小学一年生のころ、アサガオの芽に話しかけてたらものの三日でツタとかのびて、四日目には花が咲いたし。成長しろって思いながら話しかけてたから早く成長したのかも」

「そうなのか・・・・・」

「まあジェノス君は学校も違ったし、私のそういったことも知らなかっただろうけどね。ついでにいうとこれはお兄ちゃんも使えたよ」


植物を使って攻撃するの。

でもさ、結局私たちが使ってるこの能力って、自分の限界を超えると勝手にどこか骨が折れたり内蔵がつぶれたり、目が見えなくなったりするんだ。結局は生命体を無理に動かすわけだから、それなりの代償なのかもしれないけれど。まあもし本当にそれでそれ相応の代償を求められていたなら、今頃死んでいることだろう。

だから植物を動かして、少しの間目が見えないだけですむのならば、安いものだろうと思う。

使う力が少しであれば何も起きないわけだし。


「ちなみに、狂ったサイボーグがジェノス君の町を襲った後、私たちのほうにも来たんだよね」

「は!?」

「そのときお兄ちゃんが家を守って死んだから、たぶん私もあんまり怪人と戦ってると死ぬんだろうなって。たまたま昨日は敵のサイズが大きくて、怖かったから無駄に大きい力使ったけど、普段は別にこんな風になること、ないんだよ。いつも相手するのは賞金首とかだし」

「そう、だったんだな・・・・・」

「うん。お兄ちゃんが盾つくってくれて。家ごと守ってもらった。でもサイボーグがどっか行ったあとさ、急に血吐いて内蔵全部つぶれてたし、骨も数か所折れてたから相当無理してたんだと思う」


外見に異常はそれほどなかったが、病院でみてもらったらそんな状態だったものだから、母が発狂したのを今でも覚えている。確かあのときは、ジェノス君が15歳で、私が13で、兄は私の四つ上だったのだけれど、とにかくやばいというのは当時の私でもよくわかった。


「・・・・お前は、恨まないのか。あのサイボーグを」

「なんでさ。そりゃあ、目の前にいたらボッコボコにしてやりたいとは思うけど、今は家を守るので精一杯だよ。ヒーローやってて、しかも賞金首捕まえたらそれなりにお金はもらえるし、最近は地下シェルターなるものをつくった。いつ化け物が来てもいいようにね!」


っていうか、ジェノス君がそのサイボーグを見つけて、やっつけてくれるんでしょ。だから私はあんまり気にしてないよ。

そう言ったら、ジェノス君はうなずいて、心配そうに呟いた。彼も完全に人間を捨てたわけではないので、不安なのだそうだ。


「お前も無理はするな。絶対に」

「ジェノス君に言われちゃおしまいだよね。まあ、死ぬほどのことなんてないよ。その前に敵わない相手が居たら逃げるし」