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「#エロ」のBL小説を読む
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小さいころはよく嫉妬していた。

何せ私が好きになった男の子は全員誰もかれもが友人に好意を寄せていたし、そのうちの誰かが私に目を向けたとしても、それは私の友人を手に入れるために利用しようという飢えたような目つきだった。

結局、みんな彼女のことが好きなのか。

私の友人はとてもきれいな子で、優しい人で、温かい人間だったけれど、いつからかそれがおかしいように思えた。彼女を見ていると無意識に首をかしげる。そもそもどれだけ美人であったって、好みというものがあるはずだ。どんなにきれいなモデルさんを見てもぐっと来ないひとだっているだろうし、逆にテンションが上がるやつもいる。

ちなみに余談だが、私はアマイマスクさんの腰が大好きだ。変態ですみませんぐへへ
でも顔はタイプじゃない。

こんな感じ。気持ち悪くてすみませんと謝罪を述べるべきなのだろうが、ようはここなのだ。

私が小さいころから友人を見ていて、数年たち、やっと気が付いたこと。

それに気が付いたら好きな男の子をとられても悲しくはなくなった。むしろ彼女の周りに虫のように集まっている人達を見て、笑いすら出るようになった。純粋におかしい、と腹を抱えて笑うのだ。いや、私は断じて狂ってない。

そもそもの話が、だって、おかしいのだから。いや笑うよね?少女漫画のありがちな胸キュン展開とか見て笑っちゃうような人にならわかるだろうが、私の中ではそんな感じ。この状況が笑えるのであって、別に友人が頭がおかしくて笑うとか、男の子たちがあまりにも簡単に彼女におちていくものだからおかしいとか、そういうわけではない。

そこらへんは私の方が若干ずれているだけなのだ。少女漫画のイラストを見て「何こいつ目デカッ!骨どうなってんのぎゃはは!」とか言い出すくらいだから、うん。私がおかしいんだろうな。いや、大分大人に近づいてきた今はそんなこと言わないけど、小学生のときはこんな感じだった。

マジで顔の骨の部分とか、こんな輪郭で目の大きさしてたらどうなってるんだろうとか、変なこと考えちゃうタイプだっただけなんです。


「ロズちゃん、私きょうはもう帰るね」

「えっ?今日なにかあるの?」

「うん、知り合いの家に泊まる予定だから、早く準備しないといけない」


ロズちゃん、私の友達は、その大きな目をひときわ見開いてパチパチと瞬きをした。用事で私が先に帰宅するなんて、あんまりなかったから驚いているのだろう。昔からいつも一緒に帰っていたし、用事があって先に帰るのはどちらかというとロズちゃんの場合だった。

帰宅するときは教室は賑やかだ。

せっせと荷物をもって、ロズちゃんにさようならを言おうと振り返れば、そこにはたちまち人の壁ができていた。なので「まあ、いいか」と挨拶も一応、聞こえていないだろうけれどしてから教室を出る。人気者は辛いな。

一人るんるん気分でローファーに履き替えていたら、ふと、一気にあたりが騒がしくなった。さすがにロズちゃんだけではこんなに人は騒がしくならない。

なんだなんだと顔をあげてみれば、そこには見知った顔があった。


「むかえにきたぞ」

「来るなってあれほど言っただろ私の言葉は聞いてなかったの」

「先生が会いたがってるんだ」

「もういい加減先生離れしたらいいと思うよ!ね!大体あの人が私に会いたがるのだって、相当暇だからなんだし、買い物にでも行かせれば・・・・・」

「今日の鍋の材料は、先生が三人で買いに行きたいと言っていたからな。おい、俺の腕に掴まれ」

「ひゃいっ?」

「行くぞ!」


ぎゃあああぁ行くぞじゃねぇえぇ!!空!もうほとんど空飛んでるみたいになってんじゃんあああぁぁあ!


しかも腕に掴まれって!つかんだ途端こいつ私を放り投げやがった!そのまま私をキャッチして抱っことかマジなんの恥さらしをさせたいのこいつ!?