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アマイマスクにジェノス君をうんたらかんたらと言われたときは、正直肝が冷えたのだけれど、まあね!正直ほんとうにそんなことするなんて思ってないし、マジでしたらあいつのアマイらしい顔面をボッコボコに骨ごと粉砕してやるわ!

あいつのことを考えるだけでイラッとしたが、ジェノス君が作ってくれたお昼ご飯を目の前にするとそんなことも考えなくなった。


「うわ、おいしそう!いただきまーす」

「ゆっくり食べろ。詰まらせるぞ」

「私はジェノス君の子供かよ!」

「最近のニュース見てないのか?小学生が給食のパンをのどに詰まらせて死んだそうだ」

「うんもうね、私は君の目からみて小学生と同レベルだってことに、今気づいたよ」


大体最近は賞金首ばかり狩ってるから、休んでる暇ないんだよ。だからテレビも見れないの。ただでさえ勉強もしないで動き回ってるから、成績も危ういのに。休んでる暇があるなら勉強しなきゃいけないんだから!

しないけどね!?家で教科書開くなんて無理!


「そういえばサイタマさんは?」

「今日はスーパーでタイムセールがあってな。先生はスーパーに向かわれた。俺も同行しようかと思ったんだが、お前が来る予定だったからやめたんだ」

「まじか。それは悪いことしたわ」

「どうせ昼飯を作らないと文句を言うだろう」

「確かに・・・・・」


私のごはんを作るために残ってくれたのか。サイタマさんの家に私一人で留守番することはそう珍しくないし、そう考えるとやはり私を一人にさせまいとしているわけではなく、昼食をつくるためだと考えるのが妥当だろう。

ジェノス君の優しさに涙が出そうだけど、アマイマスクの単語が彼の口から出てきたから即座に引っ込んだ。ついでに顔も死んだ。なんだアマイマスクってネーミングセンスクソみたいな名前しやがって!日本語にしたら甘い顔だぞあんまりだろ!


「この前の面接でアマイマスクともめたらしいが・・・・詳しくは聞いてなかったな。何をもめたんだお前」

「いやもめたっていうか・・・・別に大したことじゃないし」

「俺には言えないのか?」

「言えないっていうか、だから、大したことじゃないんだってば」

「それでもお前のことは知っておきたい。アマイマスクに目をつけられたとなっては大事だろう」

「・・・・・・・・・・・いや、うん」


お前のこと知っておきたいとかさ。そんな台詞は愛する人のためにとっておいたほうがいいと思うよ!ちょっと胸キュンした。でもしつこい。

しばらく攻防戦が続いたものの、キリがないので私が観念して口を開いた。


「もう、ただちょっと、A級になれって強要されただけだよ。脅しも少しはいってたけど、本当にそれだけ」

「・・・・・ちょっと潰してくる」

「誰を!?まさかあいつを!?」


させねぇぞ!とジェノス君の腰にしがみついて阻止する。それでも立ち上がろうとするので、冗談で「あんなやつに会いに行くより、私と居てよ!」と叫んだら以外とすんなり戻ってくれた。あれ、冗談だったんだけど、あれ?