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「#エロ」のBL小説を読む
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- ナノ -
私は今、真剣である。


「バニラか、この限定のチョコチップクッキー&ミントか・・・・・」


バニラ味は大好きだ。しかしこの、期間限定と書かれているものも気になる。

アイス売り場にて5分ほどうんうん悩んでいると、透明になって今は見えないラティオスにタックルされた。転んだ。


「(うおおぉ恥ずかしいっ・・・・!!)」

「(さっさとしろ)」

「(そうは言っても・・・・)」


優柔不断とはまさにこのことだろうなと自分でも思う。それくらい悩む。でもバニラは捨てがたい。けど期間限定の文字の威力は強い・・・!

チラッちらっとスーパーに来たほかのお客さんが、起き上がる私を気にかける。公開処刑もいいところである


「う〜ん・・・・」

「(母親が待ってるんじゃないのか?)」

「いや、でもさぁ」


小声で喋る私たち。母は今肉売り場にて、今日の晩御飯となるであろう肉たちを物色している頃だろう。しかしその肉も買ってしまえば、あとは私がアイスを買うだけとなってしまう。

母を待たせるのは悪い。時間もない

悩みに悩みぬいて、結局期間限定のものにした。バニラはまた今度買えるしね!今日はこれ食べよう!


「結局それか」

「うふっ、美味しい!」

「そうか」

「ラティオスも食べる?確かポケモンも食べて大丈夫だよこれー」


にこにこ笑いながら、アイスを差し出す。ラティオスは食べたことのないアイスに少々戸惑っていたが、匂いを嗅いで大丈夫と判断すると、小さく口にアイスを含んだ。

甘い。結構美味しいと思う


「ってぎゃあああ!!アイス!私のあいすぅぅう」

「あー美味しかった」

「なんてことしてくれてんだこのやろうっ!」


油断しているななしの手からアイスを抜き取り、半分を口に入れて食べてしまった。そしてななしの手元へと戻す。美味しい。なかなかに、自然の甘さではないが、こういったものも好きだ

もしゃもしゃしていると浮遊している俺に、ななしが涙目でしがみついてきた


「吐き出せうわああん!」

「なんだ、別にアイスなんてまた買いにくればいいだろう」

「そうだけどっ!ミナモシティにまでなんて早々来ないでしょ!?」


ラティオスの馬鹿やろう、くたばれ、とめそめそ泣きながら言うもんだから、うんこれはやりすぎたと思って、背中にななしを乗せてミナモシティまで戻った。母親は先に帰ると言っていたので、待たせる心配もない

しかしアイスごときでと思う反面、やっぱりななしに意地悪をしたりするのは楽しいなぁとしみじみ思った。あとちょっとかわいい。