「ななし、まだポケモン持ってないの?早く持てば良いのに!」
そう、イッシュで知り合ったトウコに言われたのはつい先ほど。久しぶりに電話で話していたのだ
別に、ポケモンなんか持ってても旅に出ろって言われるだけだし、そりゃあ欲しいもんではあるけれども・・・・
ハルカもユウキも持ってるしね、ポケモン
「そこのねえちゃん!俺とバトルしようぜ!」
「あーごめんね。これ私のポケモンじゃないの」
「ねえちゃんのじゃない?」
「知り合いから預かってる子だから、バトルできないのよ」
「そっかー、じゃあしかたないなぁ」
「うん。ごめんね。お詫びに飴あげる!」
「あ!これ美味しいやつだ!」
ありがとう姉ちゃん!と名前も知らない男の子は、飴を握り締めると笑顔で走り去る。それを見送って歩き始めると、ラティオスは無言で私の手を引っ張った
どうしたの?と問いかければ、ラティオスは口を開く
「いいのか?」
「・・・・何が?」
「バトル」
「だって私、ポケモン持ってないもん」
おちゃらけたようにへらっと笑ってみせる。ラティオスは納得がいかない、というような顔をした。
だってさぁ、ラティオスを出すなんて、そんな自滅まがいな行動はまっぴらごめんだし。物珍しさに人だかりが出来ても困る。ラティオス自体が嫌いだったりするわけじゃなく、ラティオスと自分の身の安全を考えての発言だ。
だのにラティオスは見てわかるくらいしょんぼりしていたから、つい可愛く見えてしまって、くすくす笑った
「なーに落ち込んでんの!今はラティオスがいるよ?そう簡単に人前に出すわけにはいかないってだけ。なに、またあのハンター?だっけ?ポケモンハンターみたいなやつに追いかけられたいの?」
物好きだねぇ!
そう茶化したらサイコウェーブが飛んできた。発狂して逃げ回って、結局そのまま遊んでたら帰るのが遅くなってしまった。なぜか私だけ怒られた。
なんでだ!解せぬ
ちなみにラティオスに「お前も怒られろよー」と叱られたあとのテンションで言ったら、さすがに申し訳なかったのか鼻先を頬に擦り付けて謝ってきた。可愛かったので許す。
こんなんだから駄目なんだろうけど、いいんです。期間限定のパートナーだし!
存分に可愛がってもいいよね、ね!
ラティオスは結構嫌がるけどね!そんなの知るか