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ソファを俺一匹で陣取っていたら、突然のしかかられた。


「げふぅっ」

「ラティオス!でかけるよ!今から買い物行くんだってー!」

「わかった!わかったからそこから退け!」

「うふふー、ラティオス暖かあああぁ!!」


結構強くしがみついてくるもんだから浮遊してやった。そしたら突然のことに力も何も入らなかったのか、するりと腕は解けてソファの上へと勢い良く落ちる。ざまあみろ

ソファの上で悶え苦しんでいる俺の主、ななしを見下ろしてしばらく待つ。まぁいつもの如く自分では起きないので、ねんりきで無理矢理ソファに座らせた。むすっとした顔しても可愛くないぞお前


「ラティオスが冷たい」

「はぁ?」

「なんて冷酷なポケモンなんだ・・・・一時の主人だとしても私、あんたのマスターなのに!少しくらいいいじゃなーい!抱きしめるくらい!」

「あぁ、少しだったらいいんだがな」


お前の場合少しじゃないから抵抗するんだよ。わかってくれよ


「そういえば買い物がどうこう言ってなかったか?」

「あ、そうそう。買い物に行くんだよ、今から。ラティオスも行こう!ボールに入っててもいいし、姿消したまま着いてきてもいいし」


あー・・・・・・


「それはつまり、荷物もちがいないから来いと」

「なんでわかったのかしら・・・・はっ、もしかしてエスパー!?」

「俺はエスパーだが。文句でもあるのか」


というかこんな馬鹿なやりとりをしてる暇はない。買い物に行くとか言っていたので、きっとこいつの母親が外で待っていることだろう。こいつはともかく、俺までもたもたするトロい奴とは思われたくないので、ななしを置いてすぐに母親のほうへと向かった。ななしが慌てて廊下を走る音が聞こえる

時折「待って!」とか「ボールに戻してやる!」とかほざいてやがったので、サイコキネシスで振り回してやった

根性もくそもないななしは、すぐに観念したのか平謝りしていたのでまぁ許さないこともない。


「鬼だ・・・・」

「そうか」

「ちょっとお母さん!ラティオスがほんとに意地悪なんだけど!」

「あんたが甘やかして育てるからでしょ〜」

「まるでラティオスをタマゴから育てたみたいに言わないでよ、もー」


もー、なんて言いたいのは俺だ気づいてくれ

うん、まぁでも、タマゴにいるときからななしが育ててくれてたら、どうなってたんだろうな。べたべたに甘やかすななしのことだ。俺はとてつもなく落ちぶれた奴になっていただろう


「・・・・・・・・・・・」


タマゴかあ