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「ななしは俺のこと好きだもんな」


いや、違う、と否定的な言葉を紡ごうとする彼女に笑いかける。するとぐっと口を閉じた。あぁどうしよう、帰ってしまうのは勿体無いなあ

ゆっくりと抱き寄せれば抵抗を示す。それをねんりきで押さえつけて、首元に顔をうずめた。いい匂いがするとまではいかなくても、ななしの落ち着く匂いはする。それに頬を緩めて紡いだ


「だいすき」

「っいや!私はラティオスのことなんか!」

「嫌いだなんていうのか?駄目な口だな」


俺を拒絶する口なんか傷つけてしまえ

ななしの唇に口を近づけて、とがった牙で強くかみつく。小さく抉れたように歯型がついた。最後に血を軽く舐めとれば目を見開いて悶絶するななし。声も出ないようである。


「・・・・っ!!」

「なぁななし。好きって言ってくれ」

「ぃ、」

「じゃあしょうがないなあ」


嫌だといいかけている彼女を地面に投げ飛ばして馬乗りになった。首めがけて腕を伸ばせばこれまた抵抗しようと細い両腕が俺の手を払う。

無駄なのに

彼女の手なんかものともせず首を締め上げた。苦しそうだ


「ななし、ここで俺と一緒に暮らそう?異論はないだろ」

「む、り!!」

「大丈夫」

「ぐっ!?」

「大丈夫だろ、俺がいるから」


お前がいるから無理なんだよ!と叫ぼうとするが当然無理で、

ななしは涙を流しながら必死にもがくしかなかった。悔しいし怖い。なんで殺されかけてるんだろう


「ななし・・・・・・・・・」


意識が飛びそうだ。抵抗する力も次第になくなっていく


「わかってくれ、大好きなんだ。このまま殺したっていい、俺の傍にいてくれるのなら生きていなくてもいいから」


今更離れるなんていわないで。俺とここにいよう