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擬人化が出来るようになってから一ヶ月が過ぎた。

最近ななしが、幼馴染であるユウキとやらと頻繁に会うようになっていた。しかも俺を家に放置して。

何をしているのか聞いてもはぐらかされるし、そろそろ本格的に気になり始めたので、今日は尾行というかユウキとやらの家を窓から覗いてみようと思った。









「それでね、困ってるんだよね」

「あー・・・・・・」


ユウキは困った顔をした。

彼女の言い分はわかる。ラティオスのことも心配にはなるだろう。しかし何が最善の選択かなんて、ユウキにもわからないことだった。伝説や幻のポケモンを捕まえたことはあるが、如何せんすぐに別れていたし、一緒に暮らすことなんてまずなかった

ラティオスを離したいが、どうしたらいいか。その悩みは結構大きい


「擬人化するほど懐いてるんなら、逃がさなくてもいいんじゃないか?個体数は少ないけどさ、ほら、一匹しかいないとかじゃないし」

「でも自分の島に帰ったほうが、ラティオスは安心だと思うんだよ。仲間もいるし、そっちのほうが安全じゃん」

「はあ?じゃあ手放せよ」

「いや〜・・・・・寂しい」


大体擬人化してすぐのこんな時期に手放すなんて、裏切るというか、ラティオスには申し訳なくなる。逃がしたいが、どうしたもんか。私のこの寂しさは一時もすればおさまるだろうが、問題はラティオスだ。

生活態度などを見ていたら離れる気は微塵もないように見える

しかし離れなければ一生息苦しい環境で生きていかなければならないのは目に見えていた。バトルだって出来ない、外に遊びにいくのだって人の姿じゃなければ問題になる、自由に外を飛び回るにしても、時間や場所は制限されてくるのだ

ストレスとかでラティオスがハゲたらどうしよう!?と一時期はマジで悩んだくらい。まぁハゲたりはなかったけれども


「あぁ〜もうユウキくん、変わりに逃がしてきてよ。未練たらたらになっちゃう・・・・」

「ななしが捕まえたんだから自分でケリつけろよ」

「うぇーい・・・・・」

「手放すっていうなら、俺が南の孤島まで連れて行ってもいいし」

「本当!?正直移動手段のほうが困ってたんだよね!手放すっていうのはもう、決めてるから」

「決めてるのか?」

「うん。もともとは、怪我が治るまでっていう約束だったんだし」





“長く居すぎたんだね、ラティオスと”



あぁ、盗み聞きなんかするんじゃなかった