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「お前ペンギン見習ってみろよ。知ってるか、ペンギンってな、一度人生のパートナー決めるとそれからはずっと同じペンギンと子供をつくるんだぞ。一年で一緒にいる時間はほぼ僅かだけど、来年もペンギン全員が集まる中でたった一匹を巣をつくって待ち続けるんだ。もし相手が海でケガをしてたりして来なかったら新しい相手を探すけど、それでも最初に決めたパートナーが帰ってくれば新しいやつなんて捨てるんだぜ」

「・・・・・・・・・う、うん。・・・・あの」

「すごいよなーあーあなんで人間ってやつはすぐに気移りしてしまうもんかな!」

「ごめん・・・・・って別に私何もしてないよね?」


リンクが拗ねていた。それも結構ふて腐れていた。

私は困ったように眉を下げてリンクを見るが、リンクはイライラしているのか私から視線を逸らしたまま腕を組んでいる。これだけリンクが気を損ねるというのも珍しいことなのだが、珍しいということは私はこういったときのリンクの機嫌の取り方など微塵もわかっていない

どうしよう。別に、シャッドさんにお話聞かせてもらってただけ、なんだけど、なぁ

でも話している間にリンクへの対応が適当になっていたのは事実。だってシャッドさんの天空の話が楽しくて、邪魔されたくなかったんだ。でもだからってリンクを放置は当たり前にいけなかったかもしれない。

反省はしているのに、謝ってもリンクには通用しないまま。


「ねぇ、本当に、シャッドさんの話を聞いてただけなんだよ?」

「でも楽しそうだった」

「そりゃあだって、私は天空の話なんて聞いたことがなかったし・・・・」


知らないものに興味を示すのは駄目なことですか。

もう一度ごめんね、とリンクの目を見て言うと、リンクは拗ねていた態度から呆れたようなものに変えた。ただ話していただけなのになんだか私が悪いことをしたみたいな流れになっているのは少々頂けないが、リンクが嫉妬深いと知っていてあんな態度をとってしまっていたのだ。私が悪い。

リンクは少しだけ寂しそうに目を伏せて、それから私を見る。大きくて傷だらけの手が私の両頬に触れた。


「俺は、別にシャッドと話すななんていってるわけじゃない。そりゃあなまえ取られたみたいでむしゃくしゃするしイライラもするけどさ」

「うん」

「でも城下町にこうしてきてるのは、シャッドと楽しくお喋りなんかするためじゃないだろ?」


ごもっともだ。

すりすりと優しく撫でられる頬に、くすぐったくて小さく笑えばリンクは緩やかに笑顔を見せる。あぁ、シャッドさんなんかより、私はずっとずっとリンクに夢中なのに。嫉妬なんてしなくたって心配ないのに

そうは思うけれど、でも嫉妬してくれているってことはそれだけ愛してくれているということだから、愛がわかりやすくていいかもしれない。さほど面倒くさい嫉妬でもないし

リンクを見ていると愛しい感情があふれ出してきて、リンクの頭を両手で捕まえて目尻にキスをしてやった

リンクは嬉しそうにしたが、それは一瞬で、すぐに不満そうな顔になる


「・・・・なんで口じゃないんだよ」

「ふふ、なんとなく。・・・・・いやだった?」

「いいや、嬉しかった」


リンクの笑顔があまりにも眩しくて目を細めると、今度はお返しに唇へとキスをもらった